助けを求めて ページ2
？？？side
私はただ、助けを求めて彷徨い続けた。
私は今、両親から虐待を受けている。それに耐えきれなくなり、家から逃げ出した。
たどり着いたのは、見たことがない建物。しばらく入口のところに座り込んでいると、声をかけられた。
「ひろくん、ちょっと来て」
竹刀を持ったままの男性が近づいてきた。
「つばさ、どうしたの？その子」
「入口に座り込んでて。どうすればいい？」
「とりあえず中に入れてあげて。身体冷えてるかもしれないから、何か温かいものを頼む」
私に声をかけた男性が、手を引いて中に入れると、コップを差し出した。
「ココアだよ。熱いから気をつけて飲んでね」
しばらく躊躇っていると、「飲まないの？」と聞かれた。
「毒が入ってるか疑ってるの？」
図星だ。
「入れるわけないじゃん」
笑いながらそう言った。
その言葉を疑いながら一口飲む。彼が言った通り、毒など入っていなかった。
「家はどこ？」
その言葉に耳を塞いだ。
「この子は見た感じ、戻りたくないみたいだ」
「なんでわかるの？」
「俺の予想なんだけど、虐待を受けてて、それに耐えきれなくなってここにきたんだと思う」
かすかに頷く。
「明日、病院に行こうか」
その言葉に驚いた。
翌日。
私を助けてくれた人は、荒木宏文といった。
今日は病院に行く日。
「ごめん、待たせた？」
車に乗り込み、病院に向かう。
「荒木宏文様、どうぞ」
看護婦さんに呼ばれて、診察室に入った。
「身体の成長が止まっています。しばらく自宅で静養してください。消化が良いものを食べさせてください」
病院から帰ると、粥を食べた。
「お風呂入ろうか」
最初は嫌がったが、「俺も入るから、ね？」と言われてしぶしぶ入った。
お風呂から上がると、居間に布団が敷いてあった。
「やだ、怖い・・・」
「一緒に寝ようか？」
おいで、と言われて荒木さんの布団の中に潜り込んだ。
私はこの人に会って良かったと思った。
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作者名：まな | 作成日時：2018年12月27日 20時
