涼風譚 弐

目 ページ10

「A何見てるの？」



『キャッ！？あ、浩二さん。ACCAの朗読劇のDVDですよ。』


背後から抱きつかれたまま答えるA。



「僕ら2人とも出てるじゃん。演技を見直してるとか？」



『いえ、それもあるんですけど...』



「けど？」



『偶にある浩二さんの目付きが好みで...』



照れながらそう告げる。



「僕の目付き？例えば？」



『えっと...グロッシュラー長官に対する「やるんだよ、君が。」とかアリスに対する「分かってるよね？君は私の物だと。」辺りの目つきです...』



「へえ...Aはそんな所見てたんだ...」


『言わないでください！』



「でもずっと画面の僕ばっか見てると嫉妬しちゃうんだけど。」



『...ふふ、見終わりましたし此処に居る浩二さんに甘やかされたいです。』



「...いいよ、甘やかしてあげる。おいで？A。」

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