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その夜、僕の快復祝いなるものが行われ、食堂のテーブルにズラリと並んだ豪勢な食事の数々に既に気持ちが悪くなる。皆に心配を掛けない様に平静を装いテーブルに着くと、隣にドサッと座ってきた勝己が「食えんのかよ」と聞いてくる。
どうやら勝己も僕の味覚障害の事は知っている様で……出久と和解したついでとばかりに勝己ともそういう事で落ち着いたと勝手に思っているが、正直…有耶無耶な気がしなくもない。
変な気まずさを感じながら「意地でも無理矢理胃に押し込む」と返せば「だったら捩じ込んでやるから口開けろ」と全く持って意味不明な事を言い出しやがる。
「いや、自分で食べれるし」
「じゃあ、さっさと食えや」
「言われなくても食べるっての」
とは言ったものの、いきなり固形物を入れて吐き出す訳にもいかないので、スプーンを手に取り目の前に置かれているコーンスープを一掬いしてみる。
その間、じーっと僕の様子を窺う皆の視線を感じながらも気合と根性で乗り切ろうと僕に備わっていないものを信じて無駄に声を張り上げ「頂きますっ！！！」とスープを口に捩じ込んだ。
「……んん？」
あれ？可笑しい…温い液体の味じゃない。何だ、これ……？？
確認する様にもう一口、コーンスープを口に含めば、口いっぱいに広がる何処か懐かしさを感じるスープの味に、気付けば涙が止まらなかった。
「…っ……」
味がしなくなったあの日の事は今でもはっきりと覚えてる。美味しい筈のインコさんの手料理が不味く感じ、歯磨き粉の味さえも分からなくなって…朧気に見えた原因から目を逸らし続けていた。
二人の所有物なると決めたばかりだったから余計に認める訳にはいかなかったのだ。輪郭が見えそうになっては目を塞いで、答えを囁く声に耳を塞いで…ただ、起きてしまった事の原因を考える事はしなかったと思う。
「Aちゃん…無理しなくて良いよ…？」
気遣う様に声を掛けて来た出久を無視して、スプーンを置き、今度は皿を両手に持ち…
「Aちゃんんん！？」
スープを一気に飲み干したのだ。
「え、ちょ、袋持って来ようか！？」
「トイレならあっちだよ！？」
心配する皆の声に首を振り、ただ一言「…美味しいよ」と笑って伝えれば、何故か出久も泣き出し、皆は驚きを隠せていないのか、言葉を失っていた。
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パル(プロフ) - 真田丸＠homeさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!頂いたｺﾒﾝﾄを何度も見直す程、驚いております!!感動してもらえて本当に良かったです。完結まで残り僅かですが、どうぞよろしくお願いします!! (2018年12月13日 13時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
真田丸＠home(プロフ) - ごめんなさい、３５４話でした。 (2018年12月12日 21時) (レス) id: 2d504e1e62 (このIDを非表示/違反報告)
真田丸＠home(プロフ) - ３３５話で泣きました！めっちゃ感動しました！これからも頑張ってください！ (2018年12月12日 21時) (レス) id: 2d504e1e62 (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - 前回7章にて、お返事ありがとうございます！そして続編8おめでとうございます！！超大作ですね！！これからもパル様のペースで頑張って下さい！ではまたっ♪ (2018年10月29日 11時) (レス) id: 8f77e3b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - 卯月。さん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!!思い付きで書き始めて、自分でもこんなにも長くなるとは思って無かったので続編を作る度に追い掛けて下さる読者様に感謝の気持ちでいっぱいです!!これからも3日更新の頻度ではありますが、楽しんでもらえる様に頑張ります！！ (2018年10月28日 14時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2018年10月27日 0時
