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思えば、僕はこうして一人で遠出などした事が無かった様に思う。幼少期は常に勝己や出久が居て、一人で過ごす事など無いにも等しかった。雄英に通う様になって、二人を切り離した後も轟や透ちゃん、百ちゃんといった面子と過ごして……今は死柄木さんやR、それから黒霧さんに囲まれて生活している。
自由になりたいと抜かしながら、結局僕は一人で居る事が嫌だったのかも知れない。きっと、勝己や出久が過保護にならずとも僕は…二人の傍で何気無い毎日を過ごしていたのだと思う。
あの頃に…少しはそういう事にも目を向けられていれば、違った“今”があったのかも知れない。だけど、これはきっと後悔では無いのだろう。これが正しい僕の生き方だと今でも思っているから。
『じゃあ、どうしてお姉ちゃんは迷ってるの？』
当たり前の様に、ずっとそこに居た様に僕の前の座席に座り、僕を見詰めるあの子供。保須で出て来て以降、僕の前にこの子供が現れる事は無かった。今日、この時まで。
「…最近静かだと思ってたのに……いい加減成仏しなよ」
『…消えないよ、ボクは。お姉ちゃんが迷い続ける限り、ボクを忘れない限りずっと…ずっとお姉ちゃんを見てる』
忘れたくてもお前が忘れさせてくれないんじゃないか。こうして時折僕の前に現れて、僕に語り掛けては忘れるなと言う様にあの時の出来事を突き付けてくる。
「…うんざりだ」
子供から目を逸らせば、あの子供は『お姉ちゃんは逃げてばっかりだね』と今度は僕の隣に移動してくる。
『逃げて、迷って、また逃げて…楽な方にばかり進んで、また逃げて……そして迷う。逃げるのはそんなに楽なの？』
「…煩い」
楽だよ。楽に決まってる。
『楽なのにまた迷うんだ』
「っ…!!」
『でもね、お姉ちゃん。ボクは知ってるよ。ボクだけはお姉ちゃんの事をきっと誰よりも知ってる』
そう両手を僕の首に掛けた子供は何故か泣いていた。
『お姉ちゃんが…自分の本質に気付くまで、ううん、お姉ちゃんがお姉ちゃん自身を認めるまで、ボクは傍に居るよ』
そう言い残して消えたあの子供は、今度は何故か笑っていた。嘲笑うでも無く、単純に…何処か嬉しそうに。
自分の本質くらい分かっている、嫌という程。僕は…身勝手で我儘で、自分さえ良ければ良い。そんな人間だ。それ以上の何かなど無い。
僕以外に僕を知る人間なんか居ない。あの子供にそれが分かるのだとすれば…
「誰なんだよ……お前は」
この果てのない迷いを…砕いて。
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パル(プロフ) - 月華姫さん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!お久し振りです！追い掛けて下さって感謝しか無いです(T^T)二次創作している間は超絶元気です！月華姫さんもお体に気をつけて下さいね(><)今後ともよろしくお願いします！ (2018年10月25日 8時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - ３２８話のRちゃんの台詞、物間に聞かせたい（真顔）←お久しぶりですパル様♪お元気ですか？私も元気です？←最近鼻風邪引いてて最近治り気味状態。これからも応援しています！！パル様も風邪には、お気を付けて(;'∀')ではまたっ♪ (2018年10月22日 13時) (レス) id: 8f77e3b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - ゆりかさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!ほろっ…！？ほろっ頂きましたーっ！！！有難う御座いますっ！！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！！ (2018年10月17日 13時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - やべぇ、、ほろってきた、、 (2018年10月16日 3時) (レス) id: 2a41349dc2 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - しぃさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!!最高と言って頂けて、本当に嬉しいです!!書き始めた頃はこんなに闇を深くする予定では無かったのですが、いつの間にかこんな展開になっていました…ww今後とも楽しんで頂ける様に頑張りますので、よろしくお願いします！！ (2018年9月14日 11時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2018年9月8日 20時
