３２２ side無し ページ38
子は親の背中を見て育つと言うが、それを自分に当てはめた時、きっと誰しも首を傾げるだろう。だが、第三者から見ればそれは一目瞭然で、1-Aの面々は爆豪に担がれたまま、尚も気持ち良さそうに眠っているRに苦笑いを浮かべる。
Rは学校側が支給した雄英の制服に身を包み、髪もきっちり整えられており、流石は爆豪と賞賛するが、どうにも既視感が拭えない。
R用にお子様ランチの様な食事が一つあり、自然とそこが彼女の指定席なのだろうと爆豪は寝ているRを容赦無くそこへ座らせ「クソガキ、いい加減起きねぇとはっ倒すぞ」と言いながらもちゃっかり前掛けを装備させている。
久し振りに見る爆豪の世話焼き加減に最早苦笑いしか出て来ない生徒達は「Aちゃんもこんな感じだったの？」と密かに緑谷に尋ねていた。
「んー…たまにね」
「そういう時はどうしてたん？」
「無理矢理捩じ込んでたかな」
「あ…察し」
以前、寝ようとするAに緑谷が半ば無理矢理スープを飲ませていた事を思い出した麗日は遠い目をしながら、現在それをRに実行している爆豪に見ないフリをする。
「むぐっ…んー！！！」
「やっと起きたかよ、寝坊助野郎」
顔を顰めながら咀嚼を繰り返し、口の中のものが無くなるまで爆豪を恨めしそうに睨むRは本当にAの生き写しでは無いかと錯覚させる。
「ひどい…！ママもパパもしょーたも、こんな事しなかったのに…！！」
「知るか。文句あんなら自分で食え」
子供相手でも容赦の無い爆豪に見兼ねた切島は「おはよ！R！」と声を掛けた。
「きーしま、ばくごーひどいの！！」
「切島な。それよか、ママはどうやってたんだ？」
「ママはね、Rが起こしてあげないと起きないの！」
「なんつーか、増方は何処行っても増方だったんだな！」
朝から笑いに包まれる食堂はRから自分達の知らない時間を過ごしていたAの話を聞く度に楽しい反面、本来ならば此処に居るのはRでは無く彼女なのだと寂しさを募らせる。
これまで以上に早く彼女に会いたいと願うクラスメート達は、誰一人としてそれを口にする者は居なかった。何故なら、一番彼女と時を共に過ごしていた爆豪や緑谷がそれを口にしないからだ。
代わりになどなれないのかも知れないが、少しでも彼女が居ない現状から二人を救い出してほしいとクラスメート達は密かに小さな少女へと願うのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パル(プロフ) - 月華姫さん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!お久し振りです！追い掛けて下さって感謝しか無いです(T^T)二次創作している間は超絶元気です！月華姫さんもお体に気をつけて下さいね(><)今後ともよろしくお願いします！ (2018年10月25日 8時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - ３２８話のRちゃんの台詞、物間に聞かせたい（真顔）←お久しぶりですパル様♪お元気ですか？私も元気です？←最近鼻風邪引いてて最近治り気味状態。これからも応援しています！！パル様も風邪には、お気を付けて(;'∀')ではまたっ♪ (2018年10月22日 13時) (レス) id: 8f77e3b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - ゆりかさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!ほろっ…！？ほろっ頂きましたーっ！！！有難う御座いますっ！！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！！ (2018年10月17日 13時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - やべぇ、、ほろってきた、、 (2018年10月16日 3時) (レス) id: 2a41349dc2 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - しぃさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!!最高と言って頂けて、本当に嬉しいです!!書き始めた頃はこんなに闇を深くする予定では無かったのですが、いつの間にかこんな展開になっていました…ww今後とも楽しんで頂ける様に頑張りますので、よろしくお願いします！！ (2018年9月14日 11時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パル | 作成日時：2018年9月8日 20時
