【ヒロアカ】longinglove ３ (ページ24)

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「…行くよ。可能なら…捜査にだって協力する。その為に私の個性が役に立つなら何だってする…」

勿論、爆豪君の事も心配なのだ。私を生かそうとする爆豪君に何かあれば……きっと、私は二度と爆豪君は勿論、彼や切島君にも顔向け出来無くなる。

そんなのは嫌だ……

切島君は『分かった。待ってる』と短く言うと電話を切り、直ぐに彼が入院している病院の住所を送ってくれた。

「A…？出掛けるの…？」

玄関で靴を履いていると、静かにリビングから出て来たあの人が心配そうに眉を顰めていて、私は「数日は帰らないかも知れない」と告げると、あの人は止めるつもりは無いのか「気を付けてね」と送り出してくれる。

「……行ってくる」

家を飛び出し、目的地までの最短ルートを調べながらバスと電車を乗り継いで病院へと向かう。逸る鼓動を無理矢理押し殺す様に病院に着く間、ずっと腕に爪を立てていた。

彼との関係を終わらせてからの私は爆豪君や切島君のお陰で生きる事が出来ている。それは、爆豪君が言っていた通り、生かされているに過ぎないけれど、その言葉が今になって痛烈に私にとっての“生きる”とは何だったのかを突き付けてくる。

恐らく、今の私は生きているのだろう。生かされているのでは無く、自分の意思で彼に会いに行く事を望んだ。

それこそが私の“生きる”なのだと思う。

移動する事、二時間と少し…漸く彼が入院している病院に到着すると、そこには何台かパトカーが止まっていて、今回の件で何かと動いているのだろうと察する。

ナースセンターを通さずに看護師の記憶を覗き、彼の病室を突き止める。そして、病室の扉をスライドさせれば、そこには切島君と轟君、飯田君に麗日さんといった彼のクラスメート達の姿があった。

そして…穏やかとは程遠く、熱に浮かされているのか苦しそうに呼吸を繰り返し、点滴に繋がれた彼の姿に息が止まりそうになる。

「無音…」

気遣わしげに近付いてくる切島君に何を言えば良いのか分からず、ただ彼がこんな状態である事を教えてくれた優しさに「ありがとう…」と告げ、彼の傍へと近付く。

痛みからの苦痛か、それとも高熱から来るものなのか、汗を掻く彼の額をハンカチで拭う。点滴の様子を見に来たのか、病室に入って来た看護師に温くなった氷枕を差し出せば、直ぐに取り替えてくれた。