【轟君が幼馴染みだったら？ifストーリー】�� ページ4
轟side
朝目が覚めて、自由に動く身体に違和感を覚え始めたのは今よりもずっと昔の事だ。俺にとって当たり前で、酸素も同然の存在を求めて隣にある温もりを探し、抱き寄せる。
薄く目を開いて自分の腕の中で気持ち良さそうに眠る幼馴染みの瞼に軽く口付ける。半開きの口から、まだ眠いと言う様に「ん〜…」と顔を顰めて隙間を埋める様にくっ付いてくるAが愛おしい。
Aの両親は一箇所に留まらず、世界を転々としながら活躍するヒーローだ。日本で活動していた時も多忙そうで、親父と親しい間柄なのか、一人娘であるAは俺の家に預けられる事が多かった。
初めの頃は姉さんや兄さん達もAに構おうとしていたが、基本的に一日を寝て過ごすAに次第に誰も構わなくなり、Aは常に一人で縁側で眠っていた様な気がする。
そんなAがある日、親父に無理矢理特訓へと連れ出される俺を見て、親父の前で、まるで通さないとでも言う様に両手を広げ、行く手を阻んだ。
『何だ、A』
『…しょーと、僕と遊ぶから連れて行かないで』
普段縁側で寝ているだけの猫の様なAの言葉が親父にも嘘だと分かっていたが、親父は何を思ったのか、まるで俺を人形の様にAに投げ渡し『好きにしろ』と含み笑いを見せて去っていった。
突然の事で訳が分からない俺を守る様に強く抱き締めたAは去って行く親父の背中を睨み付けていて……
『…なん、で……？』
困惑する俺は情けないが泣きながらそう問い掛けるので精一杯だった。この日まで碌に話した事も無い俺を何故助けるのか。親父に嘘まで付いてお前に何のメリットがあると言うのか。
口にはしなかったが、それ等が込められた問いにAはただ『ムカついたから』と答えて、俺を離し昼寝の定位置と化した縁側へと向かって行く。
呆然とする俺に振り返り、手を差し伸べたAは『一緒に寝よ。寝ると何も考えなくて良いから』と言う。
Aの手を取ったあの日から俺達はどんな時でもずっと一緒に居る様になった。互いの部屋を行き来して、それが面倒になった頃にはAは自分の部屋で過ごす事は無くなり、自然と同じ部屋を使う様になっていた。
【轟君が幼馴染みだったら？ifストーリー】�ア�←【轟君が幼馴染みだったら？ifストーリー】��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パル(プロフ) - みあさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!此方にまで足を運んで下さって本当に有難う御座います！ハピエンは勿論ですが、BADENDも合うストーリー性なのでこういう終わり方もアリなのではないかと思い書きました。まだ先になると思いますが次回作でもよろしくお願いします！ (2020年12月16日 10時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 気になってこちらまで来てしまいました…。本当に素敵です…泣 プロポーズ話はもちろんですけど、個人的にはBADENDもとても好きでした。最終的には2人一緒に消えるところとか…本当に好きです。次回作も楽しみに待ってます。 (2020年12月15日 17時) (レス) id: 5ed90a1a36 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - Pandaさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!結婚話では無くプロポーズ話になってしまってすみません！ですが、最高と言って頂けて本当に有難う御座います！未来へと進むにしても、彼らと過去は絶対に切り離せないものなのでこういったお話になりました。これからもよろしくお願いします (2020年12月14日 23時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
Panda - 最高でした…。なんて彼ららしくて素敵なプロポーズ…(号泣) ただ甘々で幸せってだけでなく、本編では描かれなかったキャラの過去や記憶にとても感動です…。次回作、またデクくんときいて嬉しかったです！幼馴染組が大好きで...。次回作も最後まで応援します！ (2020年12月14日 7時) (レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - Pandaさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!本編から此方まで足を運んで下さり有難う御座います！プロヒと結婚話は考えていなかったのですが、こうしてｺﾒﾝﾄを頂けて書いてみたいと思いました。いつ出来上がるかは未定ですが、出来次第こちらに投稿します！本当に有難う御座いました (2020年12月10日 16時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パル | 作成日時：2018年5月6日 13時
