【２４６】 ページ14
改めて思い知らされる。本当にずっと想い続けてくれているのだと。言葉や態度、視線でそれは分かっていたつもりだった。けれど、こうして気付かなった頃の事を振り返った時、どうしようも無く胸が一杯で、本当に身に余るものだと、その手を取る事を躊躇ってしまう。
「あんま重く考えなくて良い。はぐれねぇ様に取ってくれたら、今はそれで良い」
見透かした様に見詰めて来る左右で色の違う瞳。その表情も声色も、何もかもが優し過ぎる。優し過ぎるが故に中途半端な私の態度が焦凍君を傷付けてしまうのではないかと、そんな不安さえもきっと、焦凍君は見透かしているのだろう。
「それに俺がそうしてぇんだ。俺の我儘にはなるが、聞いてくれるか……？」
本当にズルい言い方だ。焦凍君からは見えてはいないのだろうけれど、皆の顔が大変な事になってる。この顔でそれを平然と言うのだから、本当に心臓に優しくない。
「うっ……ズルい言い方だよ、それ」
「わりぃ」
根負けする様に差し出される焦凍君のそれに手を乗せると、焦凍君はその破壊力抜群の顔面凶器を惜しげも無く緩ませるので、思わず空いた片方の手で目を覆ってしまった。
「どうした？」
「目が、潰れそう……です」
「大丈夫か……？」
「全然大丈夫じゃないよ、もう……」
恨み言を吐く様にそう呟けば、焦凍君は笑いながら私の手を引き、皆に見送られる形で旅館を後にした私達は特に目的地を決めるでも無く、行き当たりばったりに街を見て回ったのだ。
毒々しい色の謎のドリンクを怖いもの見たさで二人で購入し、それが見た目とは裏腹にとても美味しくて、他にも焦凍君が興味を惹かれる物は少し変わっていて、立ち止まるお店にはヘンテコなキーホルダーやら一風変わった食べ物があったり、兎に角楽しいが尽きない時間だった。
「そう言えば、これ……落としてたぞ」
ポケットからカイ君に連れ去られた時に落としてしまったお餅のキーホルダーを取り出した焦凍君は「もう無くすなよ」と、私の手にそれを握らせる。
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パル(プロフ) - ぽむさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!そう言って頂けると完結まで書き切って良かったと物凄くホッとしました。イケメンにはイケメンな事をさせたいという願望の塊で、楽しんで頂けて良かったです！最後まで読んで下さり有難う御座いました！ (2022年8月10日 10時) (
レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - え、めっちゃよかったです！！！無理やりな完結とか思えなかった！！！！めっちゃ好きな作品です！！！しょうとくんの行動にめっちゃ一緒にドキドキさせられました！！！！最高 (2022年8月10日 2時) (レス) @page38 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年6月7日 0時
