【ヒロアカ】20と1の一等星５ (ページ33)

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【２１９】side無しページ33

―――ヒーローを数名引き連れて翌朝港町に戻って来た相澤とオールマイトは、生徒達に昨晩の一件を聞き、捕縛されたヒーローと警察に鋭い視線を向けていた。オールマイトの要請を受け、駆け付けた塚内も事態を重く受け止め、迅速に敵(ヴィラン)を含め、取引に関与した人間を連行して行く。

溜め息を吐き出した相澤は浮かない顔をする生徒達の中に轟の姿が無い事に気付き「轟はどうした？」と、生徒達に問い掛ける。

「それが……その、僕達にも分からなくて。でも、清水さんを探しに行ってるんだと思います」
「……そうか」

陽炎と接触を果たす事は出来たが、彼女の居場所を突き止めるには至っていない。彼女の事情を知るが故に自責の念に駆られているのだろうと、轟の単独行動について触れずにいた相澤は「今直ぐ動けるヒーローを引き連れて来たつもりだが、俺達は腑甲斐無い大人達の後始末に回る」と、話を続ける。

「お前達は引き続き陽炎の確保、そして清水の救出を任せる。後に要請を掛けた他のヒーローが現着する予定だが……全員が揃う頃には夜になるだろう」

昨日今日で急遽掛けた要請に応じてもらえただけで有難い案件だが、作戦の規模は街一つというそれなりに大掛かりなものだ。中毒者の一斉検挙、加えて陽炎の確保に連れ去られたままの彼女の行方の捜索と救出。それを同時に行うには人手が足りず、それでもこの場に居る者達で出来る所から手を打たねばならない状況なのだ。

「事が事だけに早急に手を打つ必要がある。今日中に片を付けるぞ」
「「「はいっ！！」」」

直ぐ様、旅館を飛び出して行く生徒達を見送った相澤はその後、ヒーロー達と共にこの街のヒーロー事務所と警察署を訪れ、半日掛けて薬に関わった者、敵(ヴィラン)に手を貸した者を検挙して回ったのである。

そんな中、同行していたオールマイトは静か過ぎる街並みに違和感を覚えると「観光地にしては些か静か過ぎると思うのだが……」と、周囲を見渡しながら呟いた。

オールマイトの言葉を拾っていた相澤は、初日に比べ、明らかに人通りが少ない事や店が閉められている事に眉を顰め「確かに妙ですね」と、考える様に顎に手を当てる。