【１０２】緑谷side ページ8
麗日さんの言うアクセサリーの類を考えているのだろう。少し元気を取り戻した轟君は「なぁ、髪留めとかでも良いのか？」と、女子達に聞いていて、何だかそういった物を彼女へと贈ろうとしている轟君が微笑ましく思えたのだ。
「彼奴、髪長ぇだろ。八百万や蛙吹みたいに纏めた方が邪魔にならずに済むんじゃねぇかって思ったんだが……どうだ？」
「うん！凄く良いと思う！」
轟君は次の休みにでも買って来ると、何やら携帯を弄り始め、その数秒後に掛かってきた電話に「ん？ああ、最近出来た」と、話し始める。どうやら電話の相手はお姉さんだった様で、どういった物が喜ばれるのか、相談している様だった。
「にしても、どうしてAちゃんはあんな風に恋を気持ち悪いと思う様になってしまったのかしら……？」
顎に人差し指を当て、首を傾げながら言う蛙吹さんに「確かに、普通そこまで思う事って無いもんね」と、彼女がそう考えしまう何かがあったのではないかと、女子達は話し合っていた。
「もう遅いし、明日にでもAに聞いてみよーよ！我がクラスきってのイケメンの恋も応援したいしさ！」
そう盛り上げつつ、話をお開きにする様に言う芦戸さんに皆は頷くと、電話を終えた轟君に「んじゃあ、頑張ってね！」と、女子達と大半の男子は自室へと戻って行く中、残った僕と瀬呂君は今が好機だと言う様に、以前から気になっていた事を轟君へと問い掛ける。
「なぁ、轟。清水の何処がお前を惚れ込ませたんだ？」
「……さあな。ただ、彼奴の傍に居ると、薄汚ぇ世界でも綺麗なもんに見える様な気がして……そんなもんを見せたくねぇって初めは思ってたが、気付けばそんな世界でも彼奴が素敵だって言うなら、俺も彼奴の傍でそれをそう思える様になりてぇって思っただけだ」
そう話す轟君の表情は穏やかで、彼女の事を考えながら話しているせいか、やっぱり何処が目に毒だと思わせる程に、その眼差しには甘ったるい優しさが強く込められていて、僕と瀬呂君は顔を見合わせて笑い合うと「さて、そろそろ僕達も寝よっか」と、談話スペースの照明スイッチに手を掛ける。
瀬呂君と轟君がエレベーターに乗り込むのを確認してから灯りを消して、僕もエレベーターに乗り込んだのだった。
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パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
