【１０１】緑谷side ページ7
「あ、あのさ！轟」
重たい溜め息を吐き出した轟君に声を掛けた耳郎さんは「ウチ、あんまりそういうの分かんないけどさ」と、何かを一生懸命に伝えようとしていた。
「轟はAが好きなんでしょ？だったら、それで良いんじゃないの？別に、好きだから悪いって話じゃないし、Aにとって好きでもない人からの好意がそうなだけであって……それってさ、逆に考えれば、轟が振り向かせたらAの特別になれるって事じゃん！」
確かに耳郎さんの言う通りだ。轟君が彼女を振り向かせる事が出来れば、それは好きでもない人からの好意じゃない。寧ろ、好きな相手からの好意として受け入れられるものへと昇華する筈だ。
「それにさ、どう見たってAがアンタを気持ち悪いって思ってる様には見えないしさ、ワンチャンあるよ！絶対！」
耳郎さんの言葉に少し考え込む様に黙り込んだ轟君は、漸く顔を上げると「……なぁ、振り向かせるって、どうすりゃ良いんだ？」と、問い掛けてくる。
まさか、クラスきってのイケメンである轟君の恋愛相談に乗る日が来ようとは、きっと誰も想像していなかっただろう。轟君のポテンシャルはMAX値だと言っても過言では無い。容姿、聡明さ、強さ。一つ欠点らしい欠点を挙げるのであれば、それは少し天然なところがあるという事だろう。でも、それすらも武器にしてしまえば良い。需要は多分……ある筈だ。
「よし、押し倒せ！」
「峰田は黙ってろって！」
即座に峰田君の口を塞いだ瀬呂君は「ベタにプレゼントとかどうよ？」と、提案する。ｻﾗｯとこういう事を思い付くのが凄い。僕もその手の話は全くポンコツなので、此処は変に口を挟まない方が良いのかも知れない。
「プレゼント……か。何贈れば良いんだ？」
「んー……アクセサリーとか？前にAちゃんの部屋にお邪魔した事あったんだけど、相澤先生って実用的な物しか買ってあげてないみたいだし、Aちゃんも遠慮してそういうの言ってないと思うし」
実を言うと、彼女の持ち物に関しては以前から僕達から何か贈り物は出来無いだろうかと話し合ってはいたのだ。連絡手段が無かった事もそうだけど、彼女の私服やパジャマは相澤先生が用意した物らしいのだが、これがまた絶妙にダサいものばかりなのだとか。
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パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
