【１４０】緑谷side ページ46
絶大な信頼故に彼女は轟君の行動をそういう意味合いとして考える事が出来無いのか。それとも、そういう意味合いで受け取る事=轟君が持つ感情を気持ち悪いと認識してしまう事を避けているのか。如何せん、彼女が日々轟君と接する中で轟君の顔面凶器に照れる事はあれど、そういう意味合いの何かを感じた事は一切無かった様に思う。これは僕が疎いだけなのかも知れないけれど。
「か、仮に……リカバリーガールに診てもらったとしてもだ。何の異常も無かった場合どうすんだ？このまま避け続けんのか……？」
振り絞る様に出した轟君の声色が受けたショックの大きさを物語り、それでも何とか逃げられずにこうして会話出来ている今を逃すまいと、轟君は彼女へ問い掛ける。
彼女は少し考える様に黙り込むと、難しい顔をしたり、慌てた様に顔を赤くしたり、兎に角一人で百面相を繰り広げながら「と、兎に角！もう一回はだめ！」と、八百万さんの手を引いて寮を飛び出してしまったのだ。
「ねぇ、轟君」
「何だ……緑谷」
「もう一回って何？」
嫌な予感がする。この破壊力抜群の顔面凶器を誇る轟君が彼女に何をワンモアプリーズしたのか、僕以外にも同じ考えを脳裏に過ぎらせた人は少なくないに違いない。
「彼奴が気持ち悪がってんのか、照れてんのか分かんねぇから、確認しようと……」
「抱き締めたと？」
「いや、頼んで逃げられた」
そりゃ逃げるよ！！と、喉奥まで出掛かった言葉を何とか飲み込み、額に手を当てて項垂れる轟君以外の面々の心中はきっと僕と同じだっただろう。
「峰田、出番だ。言ってやれ」
「コノヤロー！イケメンだからって何でも許されると思うなよーっ！！」
峰田君のもぎもぎが轟君へと嫉妬の猛威を振るい、この機に轟君は少しは反省した方が良いだろうと、僕達は心を一つにしたのだった。
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パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
