【１２８】side無し ページ34
一階フロアには既に相澤も到着しており、八百万が合流する頃には何があったのかを説明し終えたところだった様で、轟は相澤に対して深々と頭を下げていたのだ。
「大凡の事情は分かった。顔を上げろ、轟。お前にどうこう言うつもりは無い。こう言っちゃあ何だが、今回の事は不測の事態だ」
仮に轟が彼女をその場に残したまま戦闘に入っていたならば、相澤はそれを責めただろう。彼女はヒーロー志望でも何でも無い。守るべき対象である一市民と変わりないのだ。目の前の敵(ヴィラン)を放置せず、対処に当たった上で彼女を避難させたのだ。その行いを責める通りなど無いと、相澤は轟に説く。
「轟さん……」
「……Aの様子はどうだ」
「外傷などは見られませんでしたわ。余程お疲れだったのでしょう。今もまだ眠って……」
そう八百万が言葉を発した時だった。彼女以外の生徒達はこの場に集まっているにも関わらず、不意に八百万の後ろのエレベーターが動き出したのだ。
「目を覚ましたみたいだな」
「先程まで、身体を動かしても目を覚まされませんでしたのに」
驚きながらも彼女が目が覚めたなら事の詳細を聞けるだろうと一度は止まったエレベーターが降りて来るのを見守っていた生徒達は、開かれた扉から出て来た素足のままの彼女に首を傾げる。
「ﾌｰﾌﾌｰﾝ、ﾌｰﾌﾌｰﾝ、ﾌﾌﾌﾌｰﾝ」
上機嫌に鼻唄を歌いながらﾌﾗﾌﾗとエレベーターから出て来た彼女の目を見た時、轟と相澤は「お前、その目どうした……？」と、彼女の焦げ茶色の瞳が深い紫に変わっている事に驚きをみせる。
「ん？あー……成程。君、エンデヴァーの息子だねぇ？という事は、この子は雄英の生徒だった訳かぁ。成程なぁ、通りで容赦無く僕を丸焼きにしてくれた訳だ」
彼女が発したその言葉に瞬時にｶｯと目を見開き、個性を使う相澤だったが「無駄無駄、だって僕は此処には居ないからねぇ」と、馬鹿にする様に笑う彼女。誰もがそんないつもとは違う彼女に嫌な予感を走らせる。
「誰だ、お前……」
「初めまして、イレイザーヘッド。そして雄英高校ヒーロー科の卵達。僕はマリオネット、聞き覚えがあるんじゃないかぁ？なぁ、ヒーロー」
そう綺麗にお辞儀をしてみせる彼女……基、彼女の身体を操っている人物は「ああ、動くなよ？下手に動けば、この子の命は保証しない」と、ﾆﾀｧと笑みを浮かべた。
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パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
