【１１９】 ページ25
「い、いや……流石にこの顔は無理、です」
「顎しゃくればいけるだろ」
「あの、一応これでも女なんです……」
「知ってる。ほら、撮るぞ」
有無を言わさず内カメラを向けて来るので、心の中で校訓を叫びながらどうにでもなれと、渾身のしゃくれ顔を披露すると、焦凍君が撮る前に吹き出してしまい、釣られて私も笑ってしまった事で楽しげな一枚が良い感じに撮れたのだった。
何処か満足そうに携帯を見詰める焦凍君に「お蕎麦食べないと固まっちゃうよ……？」と、声を掛けつつお蕎麦を啜る。
「なぁ、さっきのしゃくれ顔もう一回やってくれ。今度はちゃんと撮る」
「撮らなくて良いから……！」
そんなこんなで楽しい昼食終えた私達は、その後もショッピングモールを見て回り、焦凍君がガン見していたヘンテコなお餅のキーホルダーを二つ買って、一つを焦凍君に無理矢理押し付ける。
「はい、お揃い！」
「もっと他のやつのが良かったんじゃねぇか？」
「でも、焦凍君これ見てたよね……？」
「いや、なんかお前みてぇだろ？」
「……焦凍君の目には私はこんな風に映ってるんだ。はい、よく分かりました。どうせお餅ですよ、私はお餅です」
いつの間にか焦凍君に手を繋がれる事も気にならなくなり、いじけながら焦凍君を引っ張って行く様に少し前を歩くと、焦凍君は「おい、どこ行く気だ」と、言うので目に付いたランジェリーショップに目を向け、わざとらしく立ち止まってみる。
「お、おい……」
「焦凍君、好みの下着買ってきて良いよ……？ﾌｯ、ﾌﾌｯ誰にも言ったりしないから、ほら、行っておいでよ」
「お前が付けるなら買って来てやっても良い」
「付けないよ……！」
からかう筈が逆にからかわれてしまい、何とも悔しい思いをする羽目になってしまった私は、大人しくお父さんへのプレゼントに可愛らしい猫の靴下を購入し、あまり遅くならない様にと、そのまま夕食の材料も買ってショッピングモールを後にしたのだった。そして、それは本当に何の前触れも無く現れてしまったのである。
―――ショッピングモールを出て、談笑しながらバス停まで歩いていた私達は、突如目の前の店のショーウィンドウが弾け飛ぶ光景に大きく目を見開く。ｷﾗｷﾗと飛び散る硝子に何が起きたのか理解出来ずに立ち止まると、周りの人達の悲鳴が上がった。
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パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
