【１１８】 ページ24
―――ショッピングモールの規模が都会のそれで驚いただとか、配布ティッシュのお姉さんに焦凍君が捕まり、危うく何かを契約させられそうになったり、子供が衝突して来た際に私に八重歯と言うより、何だか吸血鬼の様な牙が一時的に生えてしまったりと、兎に角買い物とは別のアクシデントに見舞われながらもそれはそれで楽しい時間を過ごし、休憩がてら昼食をお蕎麦屋さんで摂っていると、私と焦凍君の携帯が同時にﾋﾟﾛﾝｯと、愉快な音を発した。
それはA組のグループトークに上鳴君から私達宛のメッセージの通知であり、その内容を見て固まる私と「プリって何だ？」と、首を傾げて言う焦凍君の反応は実に対照的だった。
上鳴君が送って来たメッセージを要約すると、初外出記念にプリクラでも撮って来いというもので、先程UFOキャッチャーやコインゲーム、プリクラなどがあるエリアを横切った際、女子高生らしき女の子の団体様がそのエリアを独占していた事を知っている為、中々気が進まず……
「えっと、箱に入って撮る写真機的なあれ……？かな」
「証明写真撮るやつか？」
「……ウン、ソンナカンジダヨ」
少しばかり心苦しく思いながらも女の子の団体様に焦凍君を連れて突撃する勇気が無かった私は、そう苦し紛れの嘘を付くけれど、どうやら焦凍君は本当にプリクラを知らない様で信じてしまい、いつか本当の事を言えれば良いなぁ……と、遠い目をしてしまう。
「証明写真じゃねぇが、写真なら携帯でも撮れるだろ」
「え、今撮るの……？」
「ほら、こっち向けよ」
「い、いや……私単体で撮っても意味無いと思うよ……？」
カメラを構える焦凍君に顔を隠しながらそう言えば、焦凍君は身体の向きを変え、自分も映る様に内カメラにして写真を撮り出そうとするので、何と無くお蕎麦を咥えながら目を細めてみる。
「ふっ、何だよ、その顔……」
「面白味を出そうと思って……」
「俺もそれやりてぇ」
「じゃあ次私ので撮るからやってね！」
こうして互いに変な写真を撮り、それをグループトークに貼り付けると、皆の反応は草が生え散らかしていて、上鳴君と瀬呂君がお手本でも見せるかの様に凄まじい変顔写真を送り付けて来た事で、焦凍君が変にやる気を出してしまい……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
