【１１７】 ページ23
これは私に対して向けられているものでは無いという事は分かっている。焦凍君の整い過ぎている容姿が人の目を引いているのだと、それが少しだけ怖かったのだ。もしかしたら、焦凍君にあんな気持ち悪い何かを向けているのではないか、良くない事を考えているのではないか。そう思うと、自然と繋いでいる手に力が入ってしまう。
「……どうした？」
「視線が……その、気にならないのかなって」
「は……？」
気付いていないのか、それとも気にして居ないのか。焦凍君には私の言葉の意味があまり伝わってはいない様で、意味が分からないと言いたげに首を傾げていた。
「周りの目だよ。焦凍君を見てる……」
「俺をと言うより、俺を通して親父でも見てんだろ」
そう少しだけ繋いだ手に力を込める焦凍君は僅かに眉を顰めていて、何処か煩わしさを感じている様だった。焦凍君の言葉の意味が今一つ分からず、それを聞いてしまっても良いのだろうかと、そんな焦凍君をただ見る事しか出来無かった。
「お前は気にしなくて良い。寧ろ、あんま知られたくねぇから、気にすんな」
「……うん、分かった」
「わりぃ」
人間話したくない事も、話せない事も、知られたくない事もあって当然だと思う。私はそれに踏み込む勇気も覚悟も持ち合わせてはいない。だから、焦凍君が知られたくないと言うなら、こんな風に焦凍君の顔を曇らせてしまうのなら、私は知らないままで良い。
「あ、焦凍君。クレープ屋さんあるよ！」
「お前、さっき食ったばっかだろ」
「あ、あれだよ。女の子には甘い物を収納するお腹がもう一つあるんだよ」
「何だよ、それ」
楽しそうに笑ってくれる焦凍君に安堵し、その後も私達は休日のお出掛けを満喫していたのだった。
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パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
