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休日の前夜になると、お茶子ちゃんは梅雨ちゃんの部屋に泊まりに行ったりしているのを耳にしていたので、自然と私もそういうのにずっと憧れていたのだ。元の世界でも友達は居たけれど、泊まる程の仲では無かったからか、一度もお泊まりの経験が無かったのである。
「葉隠さん、それは名案ですわ！是非、居らして下さい」
「でしょでしょー！」
「お泊まりなんて、初めてだ……」
そう思わずにやけてしまいそうになる頬に両手を当てると、正面に座っていた焦凍君と目が合い「良かったな」と、優しい顔を向けて来るので、思わず透ちゃんの肩に顔を埋めてしまう。
「轟君、その顔はアウトだよ」
「は……？」
「轟君って、何だかAちゃんのお兄ちゃんみたいだよね！」
透ちゃんの言葉に何と無くだけれど、焦凍君のこれまでの距離の近さや向けられる表情がそういう意味合いだったのだと、腑に落ちる。確かに言われてみればそうだ。顔の良さについつい変に意識してしまいそうになっていたけれど、妹の様に思われていたのだとすれば、分からなくもない。
「一人っ子だったから変に緊張しちゃってたけど、そういう事だったんだ。お兄ちゃんってこんな感じなんだね」
「おい、違っ……」
「焦凍君、私なんかで良かったらお兄ちゃん気分を思う存分味わってもらって良いよ！」
寧ろ、一人っ子の私からするとお兄ちゃんという存在は大変魅力的で、焦凍君が甘やかしてくれたりしてたのはそういう事だったのだと、なるほど納得だった。
「おい、だから……！」
「歯磨きして来るね」
「行ってらっしゃーい」
「A……！」
何故か必死に呼び止めて来る焦凍君に洗面所に向かう足を止め、その何とも言えない焦凍君の顔に悪戯心に火が付いてしまい……
「おやすみなさい、オニーチャン？」
いつも羞恥に心臓を危ぶまれていた仕返しだと言わんばかりにそう告げて洗面所に向かい、お父さんがくれた完全子供向けイラストのあるイチゴ味の歯磨き粉に苦笑を零しながら口内をスッキリとさせる。
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パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
