【１１４】 ページ20
―――今日は休日、つまりは焦凍君に街を案内してもらう初めて遊びという意味での外出日でもある。前夜にお父さんにお小遣いを貰い、そして何故か朝から百ちゃんを筆頭とした女の子達が部屋に押し掛けて来るなり、布団とパジャマをそれはそれは問答無用で追い剥ぎしていく。
「ひっ……」
「さあ！Aさん！此方のお洋服を！」
「その次は髪もセットするからねー！」
皆の目が怖い。有無を言わさずあれよあれよという間にされるがままになり、何処のお嬢様だろうかと、使用人よろしく身支度のお手伝いをしてくれる皆に姿見の前に立つ自分の姿が恥ずかしくなってくる。
「ね、ねぇ……ホントにこれで行くの……？」
「よくお似合いですわ」
夏らしい真っ白なワンピースに何処から調達して来たのか、大きめの麦わら帽子にシンプルで上品なアクセサリーの数々。街を案内してもらうだけにしては過剰とも言える装いに内心引いてしまうけれど、そんな私とは裏腹に皆は満足そうに笑っていた。
「うっ、可笑しくない……？」
「とっても可愛らしいわ」
元の世界に居た頃もこんな風にお洒落をした事は無く、お洒落に関しても変で無ければ何でも良いという大雑把な考え方をしていたせいか、きちんと整えられた身形に変に緊張してしまう。
「それじゃあ、行こっか！轟君も待ってるだろうし」
そう私の手を引いてくれる透ちゃんに部屋の時計を確認すると、まだ出掛けるには早過ぎるのではないかという時間帯であり、流石に焦凍君も待っては居ないだろうと、皆で一階フロアに行くと……何故か、男の子達も全員揃っていたのである。
「おっ！来たなー！可愛いじゃん！」
「や、やめて……見ないで下さい」
顔を隠しながら透ちゃんに手を引かれるまま焦凍君の前に連れられると「はい！轟君！」と、まるで荷物の受け渡しの様に差し出されてしまう。
「……お、おはよ、焦凍君」
「あ、ああ。おはよ」
ガン見して来る焦凍君に「に、似合ってないの分かってるから……」と、麦わら帽子を深く被ると、焦凍君は元の位置に直す様に帽子を軽く上げてくる。
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パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
