【１１３】 ページ19
何だか同い年の筈なのに梅雨ちゃんが大人の女の人みたいな事を言うので、思わず顔に熱が集中してしまうけれど、確かに小学校の頃の初恋は気付けば相手の子を好きになっていた様な気がする。
「Aちゃんを想ってくれる素敵な人が現れるわ。その時、初めから拒絶するのでは無くて、その人の事を知ってみても良いと思うのだれど、Aちゃんはそれすらも無くしてしまうのかしら……？」
微笑む梅雨ちゃんに肯定も否定も出来無いまま唸る事しか出来ず、梅雨ちゃんの言う素敵な人がどうにも私には気持ち悪い人達がそれに該当してしまうのではないかという、おぞましさが勝ってしまう。
こんな私に好意を向けるのはそういう人達くらいなもので、きっと梅雨ちゃんや皆が思っている様なまともな人では無い。断言しても良い。先ず、まともな人は私に見向きもしないだろう。
「それによ？Aちゃんが誰かを好きになる事だってあると思うわ。その時、相手に何も知ってもらえないまま気持ち悪いと否定されるのは、とても悲しい事だと思うのだけれど……」
「それは……確かに、悲しいと思う」
そう口に出すと、梅雨ちゃんは「もしも変な人が来たら、その時は私達がやっつけてあげるわ」と、優しく笑うので、何だか気が抜けてしまうのが自分でも分かった。
「ぜ、絶対、やっつけてくれる……？」
「ええ。クラス総出でやっつけるわ」
「そ、そっか……それなら、安心かな……？」
此処には頼り甲斐のある人達が居るのだと、改めて実感した瞬間だった。元の世界では一人で我慢する事や誰かに気付いてもらうまで、誰にも相談も出来無かったけれど、皆はヒーローを目指す一等星だから、助けになってくれるのかも知れない。
「じゃあ……！その、気持ち悪そうな人が来たら逃げるから、た、助けてくれる……？」
「勿論よ。ほら、轟ちゃんなんて物凄く強いもの」
梅雨ちゃんの言葉に「それだ！」と、静かに話を聞いていた焦凍君のもとへ近付き「焦凍君、頼りにします……！」と、自分で言うのも可笑しな話だけれど、そう謎の宣言をした。
「ああ、任せろ」
「うん！流石オニーチャンだ」
そう言った瞬間、皆の表情が固まってしまったけれど、爆豪君だけは盛大に笑ってくれていたので、これはこれで良かったのだろうと、思う事にしたのだった。
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パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
