【１１１】 ページ17
「す、少し運動をしてましたの！それより、お散歩は如何でしたか？」
そう息を整えながら聞いてくる百ちゃんにとても楽しかったと、皆は知っている事でも新発見の様に何を見て回ったのかを話し、心操君と久し振りに話したのだと言うと、百ちゃんは「それは何よりですわ」と、何処か微笑ましそうに笑っていた。
「そう言えばさ、いつから心操と仲良くなってたんだ？前も話してたしさ」
上鳴君の問い掛けに前とはいつの事だろうと、考えてみる。心操君とああして話すのはいつかの休日以来だったと思うけれど、その時は一人で散歩してて、上鳴君が近くに居たという事は無かったと思う。後から百ちゃん達と一緒に来ていたけれど、それもそれで不思議だ。あの時、百ちゃん達はどうして私の居場所が分かったのだろうか。
「上鳴君、何で前に話してた事知ってるの？」
「え……？あっ、ヤベッ！」
何がヤバいのか、明らかに口を滑らせたかの様に口元を押さえる上鳴君と、あの時一緒に居た百ちゃん達が顔を僅かに引き攣らせる。その表情を目にした時、自然と百ちゃん達が息切れしていた理由も、上鳴君が知っていた理由も察してしまう。
頭はあまり良い方では無いけれど、平均的な思考回路は持ち合わせているつもりで、だからという訳では無いのかも知れないけれど、あの時も……そして今日も、皆は一人で行動していた私を陰ながら見守ってくれていたのだろうと、申し訳無くなった。
「その……申し訳ありませんでした。Aさんが一人になりたいと思っていらっしゃったのに、この様な真似をしてしまって」
私が何かを言う前にそう謝る百ちゃん。悪気があっての事では無いという事は勿論分かっている。いつまで経っても心配を掛けてしまっている私が悪いのだ。そんな自分の不甲斐無さに自然と溜め息が零れてしまう。
「心配し過ぎだよ」
「怒らないのですか……？」
「怒らないと言うより、怒れないよ。だって、心配してくれたんだよね……？」
それなら怒る理由なんて無い。今の暮らしに慣れたとは言え、まだまだ知らない事の方が多いのは確かだ。だからこそ、皆が心配してくれる気持ちは分からない訳では無いのだ。本当に優しい人達だと思う。暖かい人達で、その温もりに甘やかされているのだと、思い知らされる。
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パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
