【１０８】 ページ14
「う、うん。多分そうだと思うよ……？」
「それって、あれか？デートってやつ？」
一瞬、心操君が何を言っているのか理解出来ず、繰り返す様に「デート……？」と、口に出すと、心操君は「デートじゃないのか？それ」と、逆に聞かれてしまう。
「ち、違っ……！そんなんじゃなくて、街を案内してもらうだけで……」
「向こうから誘って来たんだろ？」
「そう……だけど、それは私が学校しか知らないからで、別にそういう……気持ち悪い意味じゃなくて！」
大体、焦凍君が優しいのは私の事情を知っていて、尚且つ妹の様に思っているからであって、焦凍君は絶対に“あんな人達”とは違う。同じにする方がかなり失礼な話だ。
「なぁ、何で気持ち悪いってなんの？」
「その、デートって言うとそういう意味合いになりそうで気持ち悪いって話で、別に焦凍君をそう思ってるって訳じゃないよ……？」
私に恋愛感情的な何かを向けて来る人達は総じて気持ち悪い。それは、勝手な思い込みでも何でもない、私の経験上そうである事しか無かったからだ。
「そういう意味合いになったりしない訳？」
「なる訳無い……！あんな……あんな気持ち悪い人達と同じになんて、なりたくないよ……」
思い出すだけでもｿﾞｯとしてしまう。基本的に人を怖がる事はあっても、心底嫌いだとか気持ち悪いと思う事は無い。だけど、自分にそういう感情を向けて来る人達は別で、例外無く気持ち悪いと思ってしまうのだ。
思わず眉を顰めれば、心操君は「何か、嫌な事でもあったのか？」と、控えめに問い掛けて来る。それに対して直ぐに言葉が出て来なくて、一度落ち着く様に軽く深呼吸をするけれど、当時の恐怖が蘇ってしまい、気付けば手が震えていた。
「お前……」
「だ、大丈夫……嫌な事、思い出しちゃっただけだから……ごめんね。大丈夫だから」
震えを無理矢理押さえ付ける様に腕に爪を立てようとすると、その手を止めた心操君は「やめとけ。話なら聞いてやるから」と、眉を顰めていた。
「ごめんなさい……」
それから廊下で話す様な話でも無かった為、心操君の提案で中庭へと移動したのだった。
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パル(プロフ) - 529zinbeizameさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！楽しんで頂けて本当に嬉しく思います！ご期待に添えられる様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年1月23日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - めっちゃ面白くていっきみしてしまいました！！最高に面白いので更新よろしくお願いします！応援しています٩( 'ω' )و (2022年1月23日 13時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2022年1月13日 20時
