【９１】 ページ45
―――皆が個性の特訓に勤しむ間、私も個性の制御を覚える為にお父さん監修の下、個性の特訓に励み始めてから数日が経った。未だに発動段階で躓いてしまっているけれど、この数日で個性について分かった事が幾つかある。その最たるものが、私の身体が太陽光発電システムの様な造りになっているという事だった。
どういう事なのかと説明すると、この数日で個性の発動に成功したのはたったの三回程で、成功した日の天候は晴れ間が見えていた時に限られていたのである。どうやら背中から生える翼は炎で出来ているのでは無いらしく、熱が翼の形を成し、それに酸素が触れる事で炎を纏っているのだと、皆が考察してくれた。
では、その熱は何処から来るのか。あくまで推測でしか無いけれど、天候と関連付けて考えた際、太陽の熱を身体に貯蔵させているのではないかという説が浮かび上がり、物は試しに晴れた日に外で個性の発動を試みた結果、すんなりと発動する事が出来たのだ。
つまり、私の身体はソーラーパネルの様に太陽の熱を常に貯蔵タンクに貯めている状態であり、個性を発動する事でその貯蔵タンクから熱を放出している状態らしい。そして、この仮説から自然と導き出されてしまった私の高熱の正体が、貯め込んだ熱を放出する術が無かった為、発熱という形で熱を放出していたのではないかというものである。
私が自覚していなかっただけで、個性は目が覚めた時には私の身体に宿っていたという事になる。緑谷君に寄ると、そもそも太陽が常軌を逸した温度で常に燃えているらしく、その熱を身体に貯める事が出来る体質になっている為、熱or炎に対する耐性があっても可笑しくは無いらしい。
そう理屈は理解出来たけれど、現実は理屈程スムーズにいくものでは無く、今日も発動時にお父さんが吹き飛ばされるという事案が発生した。
「ひぃ……！おとっ……！」
「先生だ。授業中は気を付けろと言ってるだろう」
「ご、ごめっ、ごめんなさい……」
演習場の片隅で、皆の邪魔をしてしまわない様に焦凍君が氷壁を展開してくれたけれど、発動時に木っ端微塵に吹き飛んでしまい、今は蒸発してしまって跡形も無く消え去っている。
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パル(プロフ) - もぐさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!ひぇ……長編作ばかりなので大変だったと思いますが書き手冥利に尽きると言いますか、本当に嬉しく思います！有難う御座います！！ドロドロ鬱展開は今まで書いた事が無かったのですが書いてみたくなりました！今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月18日 18時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - どの作品も性癖に刺さり一気に全作読ませて頂きました！やはり文章の綴り方がお上手なのか全くタイプの違った今作も最高です！いつかドロドロ鬱展開のバッドエンド作品も読んでみたいと思いました。これからも応援しております！ (2021年12月18日 16時) (レス) id: 1c01f7244c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年12月11日 19時
