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こうも度々高熱を出していると、その前兆と言うよりも、ある程度は自分の身体について分かった事がある。それは高熱以外に症状は基本的には無いけれど、高熱が出ると自然と睡魔に襲われてしまうという事で、39.0℃と表示された体温計に溜め息を付いた。
これは……多分、怒られる。そう呆れた顔をするお父さんと焦凍君が頭を過ぎり、思わず「うっ……」と、何とも言えない唸り声が出てしまう。勿論、二人だけじゃない。百ちゃんや透ちゃん、他の皆も心配するかも知れない。目を離したからだって思われるかも知れない。それは違うのに、優しい人達だからそう思ってしまうのかも知れないと、そう瞼を閉じようとした時───…
「Aさん」
凛とした耳馴染みのある優しい声で呼ばれ、そちらに顔を向けると、何故か百ちゃんや透ちゃん、それから上鳴君や瀬呂君、障子君も居て、皆して優しい眼差しを向けてくれて、何だか余計に眠たくなってしまう。
「今日は良いお天気ですものね、眠たくなってしまうのも分かりますわ」
そう私の額に掛かる前髪を横に流す様に額に触れた百ちゃんは「寒くはありませんか？」と、隣に腰を下ろして、反対側に透ちゃんが座って、二人に挟まれて居るのが心地好くて……
「ん……いつも、皆と居るとぽかぽかする。暖かいの、沢山貰ってばかりで……果報者だなぁって、思う……」
「それは私の台詞ですわ。Aさんのコロコロと変わる表情は見ていてとても気持ちが暖かくなりますのよ？」
「そうなの……？」
ええ。と柔く笑う百ちゃんは私の身体を自分の膝にゆっくりと倒すと「少し、お眠りになられては？」と、百ちゃんに膝枕をしてもらっている自分に何だか照れてしまう。
「役得、です」
「もう、Aさんったら……ﾌﾌｯ」
百ちゃんに頭を撫でられるのが気持ち良くて、皆の声に安心して、そのまま睡魔に抗い切れずに瞼を下ろすと、透ちゃんの優しい声が掛かった。
「起きて熱が下がったら、一緒に砂藤君の焼いたケーキ食べようね！それから、ヤオモモの紅茶もとっても美味しいんだよ！」
それは凄く、楽しみだ。そう思いながらも優しい空間に包まれて、私は眠りに着いたのだった。
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パル(プロフ) - もぐさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!ひぇ……長編作ばかりなので大変だったと思いますが書き手冥利に尽きると言いますか、本当に嬉しく思います！有難う御座います！！ドロドロ鬱展開は今まで書いた事が無かったのですが書いてみたくなりました！今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月18日 18時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - どの作品も性癖に刺さり一気に全作読ませて頂きました！やはり文章の綴り方がお上手なのか全くタイプの違った今作も最高です！いつかドロドロ鬱展開のバッドエンド作品も読んでみたいと思いました。これからも応援しております！ (2021年12月18日 16時) (レス) id: 1c01f7244c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年12月11日 19時
