【８４】 ページ38
何の心配も要らない。私はちゃんと前を向いて歩き出す。なりたい自分になる為に、相澤Aとして新しい一歩を踏み出すだけなのだ。この世界で目覚めたばかりの、あの時の私では無いのだから。
「気負ってなんか、ないです。私はまだ、何も出来ていないから。それにやっとスタート地点に着けた気がします」
身体も自由に動かす事が出来る。なりたい自分も見付かった。支えてくれる皆や背を押してくれる焦凍君が居てくれる。助けてくれるお父さんも居て、私は本当に果報者で、だからこそ、変わらないといけない。
「お父さん、あの……私、少しならお料理出来ます。母子家庭だったから、毎日お母さんの手伝いとかしてて、だから……今日は、一緒に晩御飯食べませんか……？」
「良いのか？クラスの奴等と一緒に居なくて」
「はい、ちょっとした親孝行、させて下さい」
そう伝えるとお父さんは「それは楽しみだな」と、雄英に帰る前にスーパーに寄ってくれて、二人で献立を考えながらあれこれ買って、お父さんが栄養補給のゼリーばかりカゴにぶち込むので、途中でそれを止めたり、文句を言われたり、お小言を言われたり……兎に角、有意義な時間を過ごしたのだった。
そして、雄英に戻り寮のキッチンを借りて晩御飯を作っていると、何故か皆がわらわらと集まり出して、焦凍君や上鳴君や芦戸さんがつまみ食いしようとするのを必死に阻止しながら、献立を完成させる。
「うん、よし……出来た」
「俺の分はねぇのか？」
「え、いや、だって……皆はランチラッシュの晩御飯あるよね……？」
「こんなん見せられたら食いたくなるだろ」
そうじぃーっと完成した料理を見詰める焦凍君を初めとした面々に「うっ……」と、唸り声を上げた時、タイミング良く寮にやって来てくれたお父さんは一目で状況を把握したのだろう。一言「やらねーぞ」と、意地の悪い笑みを浮かべ出す。
「あ、ほら！皆のご飯も来たよ……？」
「えー！私もAの手料理食べたいー！私のあげるから、Aのちょうだい？ね！？」
「そ、それなら……」
「芦戸、親子水入らずなんでな。今回は遠慮してくれ。お前達もいつまでもそうしてないでさっさと食え」
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パル(プロフ) - もぐさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!ひぇ……長編作ばかりなので大変だったと思いますが書き手冥利に尽きると言いますか、本当に嬉しく思います！有難う御座います！！ドロドロ鬱展開は今まで書いた事が無かったのですが書いてみたくなりました！今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月18日 18時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - どの作品も性癖に刺さり一気に全作読ませて頂きました！やはり文章の綴り方がお上手なのか全くタイプの違った今作も最高です！いつかドロドロ鬱展開のバッドエンド作品も読んでみたいと思いました。これからも応援しております！ (2021年12月18日 16時) (レス) id: 1c01f7244c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年12月11日 19時
