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雄英高校に通い初めてから大体一週間が経った。この世界で体験する初めてに興奮し、割と高頻度で発熱する事もあったけれど、今はリハビリも順調に進んでいて少しの距離であれば歩行器を使わずに歩ける様にまで進歩したのだ。だけど、心配性と言えば良いのか、過保護と言えば良いのか。兎に角、皆は寮内や教室内を歩行器無しで歩く私を何処かﾊﾗﾊﾗとした面持ちで危なっかしそうに見ていて、何とも居た堪れなくなってしまうのである。
今日は休日という事もあり勿論授業は無く、皆が自由に遊べる時間を私が奪ってしまわない様に「相澤先生の所、行ってくる」と、歩行器を使って一人でさっさと寮を出た。少し歩いて振り返り、誰も付いて来ていない事を確認してから教師寮へと向かうと、タイミング良くお父さんが前から歩いてきたのだ。
一人で居る私に不思議そうに「一人か？」と、問い掛けたお父さんは何故か私の後ろに視線を向け「いや、何でもない。それよりどうした？」と、聞いてくる。
「あ、あの……お父さんは、お休みですか……？」
「いや、これから仕事だが……何か用があったのか？」
「あ、いえ……何と無く話したかっただけで、別に大した事じゃなくて、本当に雑談的なあれで……」
実際、お父さんに何かを話したかった訳じゃない。ただ、私の事情を唯一知っている人だから何と無く近くに居たくて、時間を持て余してしまったから話し相手になってもらえればと、そんな軽い気持ちだったのだ。
「悪いな。夜までには戻るが……暇なら八百万や他の仲良い奴に声掛けたらどうだ？」
「え、あ……はい。そうします」
「……それじゃあ、行ってくる」
そう横切るついでとばかりに私の頭を軽く撫でたお父さんに「はい、行ってらっしゃい」と、小さく手を振れば、お父さんは僅かに笑みを零し、ﾋﾗﾋﾗと手を振り返してくれて、お父さんの姿が見えなくなるまでその場から見送り、完全に姿が見えなくなった頃、適当に辺りを散策しようと歩き出す。
雄英高校の敷地は何処も綺麗に整備されていて、噴水広場があったり、憩いの場の様にベンチが至る所に設置されていたりと、兎に角穏やかな風景が広がっている。
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パル(プロフ) - もぐさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!ひぇ……長編作ばかりなので大変だったと思いますが書き手冥利に尽きると言いますか、本当に嬉しく思います！有難う御座います！！ドロドロ鬱展開は今まで書いた事が無かったのですが書いてみたくなりました！今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月18日 18時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
もぐ(プロフ) - どの作品も性癖に刺さり一気に全作読ませて頂きました！やはり文章の綴り方がお上手なのか全くタイプの違った今作も最高です！いつかドロドロ鬱展開のバッドエンド作品も読んでみたいと思いました。これからも応援しております！ (2021年12月18日 16時) (レス) id: 1c01f7244c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年12月11日 19時
