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感覚的に言えば、一日二日くらいの感覚で、生と死の狭間を彷徨っていたあの時間が現実で言う所の一ヶ月だったのだと改めて理解した時、ｿﾞｯと背筋が凍る様な感覚に襲われてしまう。だけど、目に入った五体満足な身体にその事実が妙にｽﾄﾝ……と、胸に落ちてくる。
確かに一ヶ月もあれば、ある程度は回復していたとしても不思議じゃない。あんな大怪我を負って、それが一日二日で回復している方が普通に考えて可笑しい事も理解出来る。
「一ヶ月……」
思わずそう呟いた私の声は酷く嗄れていた。それに気付いた主治医は「何か飲み物を持って来るよ」と、一度病室から出て行ってしまう。その背中を自然と目で追い掛けると、無精髭の人と目が合った。
そう言えば、この人は誰なんだろう。警察の人という訳でも無さそうで、事故を通報してくれた人なのかとも考えたけれど、赤の他人が一ヶ月間眠り続けていた私の見舞いに訪れているというのも変な話だ。多分、トラックの運転手でも無いだろうし……
ぼんやりと考えながらじっとその人を見詰めていると、無精髭の人はベッドの横にあるパイプ椅子に腰を下ろし「話すのが辛いなら今は頷くだけでも構わない。分かる範囲で答えてほしい」と言う。
「先ず、その怪我の原因は覚えてるか？」
肯定する様に頷けば、続けてその人は「事件に巻き込まれてそうなったのか？」と、問い掛けてくる。正直、その質問の意図が分からなかった。こうして病院に搬送されているという事は、あの現場付近に居た誰かが通報してくれたという事で、その詳細を把握していても可笑しくは無い筈。それを知らないのなら、益々この人が此処に居る意味が分からない。
取り敢えず、聞かれた事に対して否定する様に首を横に振れば、その人は考える様に少し黙り込むと「誰かに襲われた訳じゃないんだな？」と、確認する様に聞いて来るので、やっぱりこの人は事故の事を知らないのだと察する。
「事故に、遭って……」
流石に噎せ込む事は無かったけれど、出た声は嗄れたままで、主治医が戻って来るまでは喋らない方が良いのかも知れないと、軽く引っ掛かりを覚える喉に触れた。
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パル(プロフ) - 柴ぬいさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!知らないからこその新鮮さや衝撃などなど、普通だったらこういう反応になるかな？と考えながら書いていたのでこうしてその点に関してのｺﾒﾝﾄ頂けて嬉しく思います！また表現についても感想下さり、こちらこそ本当に有難う御座いました！ (2023年3月14日 18時) (
レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
柴ぬい - めっちゃ最高でした！（全部読みました！）ヒロアカを知らない体での転生ものは初め読み進めている時とても驚きました！また、胸にｽﾝｯと落ちてくる表現の仕方が半端なかったです！素敵で平和な世界線でのお話を読めて幸せです！ありがとうございました！！ (2023年3月14日 16時) (レス) id: c5d3bd3937 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - ひながきさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!楽しんで頂けるか分かりませんが、楽しんで頂けると幸いです！貧弱綺麗事万歳夢主をよろしくお願いしますww (2022年10月2日 23時) (レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - まだ呼んでいないのにコメントをするという奇行をさせていただきます。要注意の【貧弱綺麗事万歳夢主】という語彙が好きです。これから読まさせていただきます、笑 (2022年10月2日 15時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年11月11日 23時
