【３９】 ページ40
―――時折休憩を挟み、ペダルの重さを少しずつ上げながらリハビリに取り組んでいた私は、ペダルを漕ぎつつも皆から目を離す事は出来無くて、休憩がてら様子を見に来てくれた百ちゃんや焦凍君に「見過ぎだろ」と、突っ込まれてしまう。
「Aさんの目がとてもｷﾗｷﾗされていて、皆さんも照れておられましたわ」
「あ……ごめん。なんて言うか、やっぱり凄くて」
そう重たいペダルを踏み込んだ時、丁度アラームがﾋﾟﾋﾟｯと鳴り「ふぅ……終わった」と、軽く汗を搔いてしまった額を手の甲で拭おうとすれば、すかさず百ちゃんが個性で出したハンカチで拭ってくれて、何もそこまでしなくて良いのに、と気恥しさと共に申し訳無くなる。
「清水、今日は此処までだ」
そうトレーニング機器の電源を落とすお父さんに「まだ出来ますよ……？」と言えば、お父さんは一つ溜め息を付くと「足、見てみろ」と、視線を落とすので見てみると、疲れていたから気付かなかったけれど、足は何もしていないのに酷く震えていた。
「あ……」
「頑張る事は悪い事じゃないが、無理は返って身体に毒だ。焦る必要は無いし、これから少しずつ慣れていけば良い」
「はい……ごめんなさい」
「気にするな。取り敢えず、下ろすぞ」
そうお父さんは私を横抱きにしてトレーニング機器から下ろすと、いつの間にか百ちゃんが出してくれていた車椅子にﾌｯと僅かに笑みを零し「話が早くて助かるよ」と、私をそこに座らせる。すると、今度は焦凍君が足元に屈み、個性で冷気を足に送ってくれて、目の前でｷﾗｷﾗと焦凍君の手から放たれるアイスダストに「綺麗……」と、お礼より先に思わずそう呟いてしまう。
「相澤先生、Aさんは私達にお任せ下さい。私も轟さんも個人の目標は達成出来ていますわ」
「そうか。それなら頼んだぞ」
「はい！」
去って行くお父さんを見詰め、視線を足に手を翳している焦凍君へと向けると、自然と焦凍君の頭を覗き込む形になっていて、思わず旋毛を探してしまう。綺麗に真ん中で区切られた紅白の髪はどちらもｻﾗｻﾗしてそうで、触りたくなってしまうのをｸﾞｯと我慢する。
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パル(プロフ) - 柴ぬいさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!知らないからこその新鮮さや衝撃などなど、普通だったらこういう反応になるかな？と考えながら書いていたのでこうしてその点に関してのｺﾒﾝﾄ頂けて嬉しく思います！また表現についても感想下さり、こちらこそ本当に有難う御座いました！ (2023年3月14日 18時) (
レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
柴ぬい - めっちゃ最高でした！（全部読みました！）ヒロアカを知らない体での転生ものは初め読み進めている時とても驚きました！また、胸にｽﾝｯと落ちてくる表現の仕方が半端なかったです！素敵で平和な世界線でのお話を読めて幸せです！ありがとうございました！！ (2023年3月14日 16時) (レス) id: c5d3bd3937 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - ひながきさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!楽しんで頂けるか分かりませんが、楽しんで頂けると幸いです！貧弱綺麗事万歳夢主をよろしくお願いしますww (2022年10月2日 23時) (レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - まだ呼んでいないのにコメントをするという奇行をさせていただきます。要注意の【貧弱綺麗事万歳夢主】という語彙が好きです。これから読まさせていただきます、笑 (2022年10月2日 15時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年11月11日 23時
