【３】 ページ4
私、生きてる……？と、未だ状況を把握出来ず、動かせない身体をそのままに目だけで辺りを見渡す。すると、そこは病室の様で、ドラマで見た様な精密機器が私が生きている事を示す様に波の様に線を走らせていた。
「取り敢えず、目が覚めて何よりだ。今主治医を呼ぶから少し待ってろ」
そう頷く間も無く病室から出て行く男の人を目で追いながら何とか身体を動かそうと手を上げてみると、在らぬ方向に折れ曲がっていた筈の腕は固定されてはいるものの、正常な形をしていて、腕自体に痛みを感じる事は無く、何故か先程までは鉛の様に重たかった筈の身体は気怠さを残しつつも五体満足に動かす事が出来ていたのだ。
最近の医療はこんなにも発展していたのか。と、驚かされながら、それでも直ぐに疲れてしまう身体は本調子からは程遠く、一先ず生きている事に神様に感謝しながら瞼を下ろした。
そっか……生きてるんだ、私。あんな状態からでも生きられたんだ。と、改めて生を実感する様に瞼を開き窓から見える空を見詰める。すると、何か人の様なものが飛んで行くのが見えた。正確には分からない。だけど、今しがた飛んで行った人の様な何かの背中に赤い大きな翼があった様な気がする。
見間違いかと思い、よくよく目を凝らして見てみたけれど、既にその赤い翼の何かは何処かへ行ってしまった様で、私の知らない最新式の翼モデルのハングライダーだろうと、適当に結論付け、考える事を放棄した。
その数分後、先程の男の人が主治医と思しき白衣を着た男の人を連れて戻って来ると、主治医は「身体の調子はどうかな？」と、お医者さんらしい優しそうな声色で問い掛けてくる。
声を出すのも億劫で、ただ頷いて見せると主治医は続けて「名前と生年月日は言える？」と、聞いて来るので質問に答え様とすると、途端に噎せてしまう。
「ｹﾎｯｹﾎｯ……！」
「大丈夫、ゆっくりで構わないよ。一ヶ月も眠っていたんだから無理も無い」
「っ！？」
ｻﾗｯと告げられた主治医の言葉に目を見開き、一ヶ月という決して短くは無い期間、ずっと眠り続けていたという事実に言葉を失ってしまう。
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パル(プロフ) - 柴ぬいさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!知らないからこその新鮮さや衝撃などなど、普通だったらこういう反応になるかな？と考えながら書いていたのでこうしてその点に関してのｺﾒﾝﾄ頂けて嬉しく思います！また表現についても感想下さり、こちらこそ本当に有難う御座いました！ (2023年3月14日 18時) (
レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
柴ぬい - めっちゃ最高でした！（全部読みました！）ヒロアカを知らない体での転生ものは初め読み進めている時とても驚きました！また、胸にｽﾝｯと落ちてくる表現の仕方が半端なかったです！素敵で平和な世界線でのお話を読めて幸せです！ありがとうございました！！ (2023年3月14日 16時) (レス) id: c5d3bd3937 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - ひながきさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!楽しんで頂けるか分かりませんが、楽しんで頂けると幸いです！貧弱綺麗事万歳夢主をよろしくお願いしますww (2022年10月2日 23時) (レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - まだ呼んでいないのにコメントをするという奇行をさせていただきます。要注意の【貧弱綺麗事万歳夢主】という語彙が好きです。これから読まさせていただきます、笑 (2022年10月2日 15時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年11月11日 23時
