【２２】 ページ23
気を取り直して再度焦凍君に個性を尋ねると、焦凍君は「半冷半燃っていって、要は氷と炎が出せる」と、ｻﾗｯととんでもない事を言う。それに驚くと、差も当然の様に左手にﾎﾞｯと炎を出した焦凍君は今度は右手で氷を出すので、本当にこの世界はファンタジーなのかも知れないと、思ってしまう。
「個性って、凄い……」
「さっきから凄ぇしか言ってねぇぞ、お前」
「でも、本当に凄いと思う……！」
魔法が個性という名前に変わっているのか、或いは全くの別物なのか。私にはその違いが分からず、見るもの全てが何でも凄いと思わずには居られなかったのだ。だけど、こうして個性を目の当たりにした時、改めてヒーローという職業の意味を理解する。
無個性が少ないという事は、殆どの人が何かしらの個性を持っていて、当然、それを悪用する人達も居るのだろう。そして、その人達の事を敵(ヴィラン)と呼び、そんな敵(ヴィラン)から人々を守ろうとするヒーローは、正しくヒーローなのだと、感銘を受けた。
「ヒーロー……なんだ」
「まだ仮だけどな」
「でも、ヒーローって凄い」
また意図せずに凄いと口走ってしまい、百ちゃんには微笑まれ、焦凍君には吹き出され、他の皆にも同じ様に笑われてしまうのだった。
その後、一通り寮内を案内してもらい、丁度夕飯の時間になる頃、皆に囲まれながらランチッシュ？だったか、そういう名前のシェフさんが作ってくれたご飯を食べていると、何やら大量の紙袋を持ったお父さんが来てくれて、食事の途中にも関わらず歩行器を使って出迎えに向かう。
私を見たお父さんは何処か安堵した様にその瞳を柔く下げていて「打ち解けた様だな」と、紙袋をその場に置いて頭を軽く撫でてくれる。
「おとっ、あ、相澤先生！あの、あの！皆、凄い人達で、個性見せてもらって、その……魔法みたいで、凄かった、です。それから、それからこれ、百ちゃんが個性で出してくれて……」
「落ち着け。ゆっくりで良い」
「はい……あの、私、此処に来られて良かった、です。だから、有難う御座います……連れて来てくれて」
そう歩行器にしがみつきながら精一杯伝えると、お父さんは「良かったな」と、頭から手を下ろす。
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パル(プロフ) - 柴ぬいさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!知らないからこその新鮮さや衝撃などなど、普通だったらこういう反応になるかな？と考えながら書いていたのでこうしてその点に関してのｺﾒﾝﾄ頂けて嬉しく思います！また表現についても感想下さり、こちらこそ本当に有難う御座いました！ (2023年3月14日 18時) (
レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
柴ぬい - めっちゃ最高でした！（全部読みました！）ヒロアカを知らない体での転生ものは初め読み進めている時とても驚きました！また、胸にｽﾝｯと落ちてくる表現の仕方が半端なかったです！素敵で平和な世界線でのお話を読めて幸せです！ありがとうございました！！ (2023年3月14日 16時) (レス) id: c5d3bd3937 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - ひながきさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!楽しんで頂けるか分かりませんが、楽しんで頂けると幸いです！貧弱綺麗事万歳夢主をよろしくお願いしますww (2022年10月2日 23時) (レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - まだ呼んでいないのにコメントをするという奇行をさせていただきます。要注意の【貧弱綺麗事万歳夢主】という語彙が好きです。これから読まさせていただきます、笑 (2022年10月2日 15時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年11月11日 23時
