【１５３】 ページ5
「はははっ……くくっ、上出来！」
声や姿形は死柄木のそれだけど、その表情は彼女がよくする悪どい顔そのもので、ナチュラルに拘束具をﾎﾟｲｯと捨てて僕の元へ歩いて来る具現体は「お前がくたばるまで待ってやろうと思ったけど、気が変わった」と彼女の口調で告げる。
「死柄木さん……？」
「残念ながら、俺はオリジナルじゃない。本体がオリジナルに寄せて作った具現体だ」
「具現……だと？」
偽物の顔色がみるみる内に悪くなっていくのが分かる。正に、形勢逆転。そして、彼女に既に痛い目に遭わされている偽物が彼女の個性を知らない筈は無い。
「それで、本物の君達は何処に居るの？」
「ん？ああ、オリジナルなら本体に無理矢理風呂にぶち込まれてるよ。臭いだの何だの、散々喚き散らして浴槽に投げてたなァ……」
脱獄させたと言うより、一時的に家に連れ帰ったと言う方がしっくり来る。こうして具現体が居場所を吐くという事は、彼女は単に死柄木を戦闘に巻き込ませない為に避難させたに過ぎないのだろう。或いは、偽物に利用されない様に先手を打ったか。まぁ、どちらにしても、死柄木がこの場に居ないのであれば戦いに集中出来るという事。
「デク、本体から伝言だ。気が変わらない内にさっさと来いってよ」
じゃあな。と粒子となって消えた具現体。此処で彼女の言葉を借りるのなら、この状況は茶番でしか無いのだろう。何せ、偽物の目的だった死柄木は居ない。そして、偽物を含む一連の事件の首謀者を僕達ヒーローが囲んでいるのだ。
「はぁ……こんなにもお膳立てされたら、意地でもやり遂げなきゃヒーローが廃るじゃないか」
ｸﾞｯと拳に力を込め、仕切り直す様に偽物へと向き直る。完全に彼女にしてやられた偽物の怒りは言わずもがなで、それからは応援に駆け付けてくれた他のヒーロー達と共に偽物とその一派を制圧したのだった。
そして、この騒動に乗じて脱獄を図ろうとした敵(ヴィラン)達も一人も逃がす事無く捕縛が完了し、全てが終わった頃には日が昇り始めていたのだ───…
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パル(プロフ) - 夢桜さん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!亀更新にも関わらず更新を楽しみにして下さり、また夢主の暴言三昧を愛らしいと言って下さった上にまた読みに来て下さるだなんて、本当に感無量です！嬉しいお言葉の数々が今後の励みになります！本当に有難う御座いました！ (2021年10月11日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつ頃か更新を今か今かと楽しみにし続けていましたので少し寂しい気もしますが、デクの諦め悪い精神や夢主のボロッカスな口の悪さも愛らしく、とても読むのが楽しかったです！長い期間お疲れ様でした、終わっても尚、また読みに行きます。 (2021年10月11日 11時) (レス) @page31 id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - ゆいさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!面白いと言って頂き、本当にそのお言葉が励みになります！残り僅かの更新にはなりますが、最後まで楽しんで頂ける様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願いします！ (2021年9月17日 19時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 面白いです！応援してます！ (2021年9月17日 10時) (レス) id: 8f748b15fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年9月16日 22時
