【１７１】夢主side ページ23
―――そして、迎えた出所日。まるで、ボクの保護者かの様に付き添うオールマイトに「アンタ、暇な訳？」と軽く悪態を付きながら門へと向かっていた。
「瀬崎……いや、七草君。死柄木から君への贈り物を預かっている」
「贈り物……？彼奴、そんなの用意出来る立場だったか？」
門が見え始めた頃、急に足を止めたオールマイトに振り返れば、オールマイトは「いや、恐らくこれが自然な形なのだろう」と告げながら腕時計を見る。
今一つ言葉の意味が理解出来ず、首を傾げるボクに何も言わずに生温い視線を寄越すオールマイトは「さて、そろそろだよ」と微笑む。何が何だか分からず眉を顰めた時、それは無情にも訪れた。
「ｯ────────!!」
ﾊﾟﾘﾝｯ!!と何かがボクの中で弾け飛ぶ。まるで、殻を破る様に、楔を引き千切るかの様に、切れて、溶けて、消え行く様に、ボクの中に確かにあった筈の弔の鼓動が消えて行く。
「え、は……？」
既に無くなった鼓動を求める様に、何とか感じ取れる様に心臓に手を押し当てても、今はもう……何も、自分の以外のそれを感じる事は無くて、それはボクと弔の繋がりが消えた瞬間だった。
身に何が起こったのか、それを正しく理解するには長く共にして来た鼓動の喪失感が勝り、頭が上手く働かない。
「なに、何で……」
困惑したままオールマイトを見ると、オールマイトは「死柄木に頼まれていたのさ」とボクの肩に優しく手を乗せた。
「君達の心臓を繋いでいた個性の解除。君が出所する日までにどうにかしてやってくれと」
詳しく話を聞けば、弔は三年前のあの日、オールマイトにボク達の心臓を繋ぐ個性の事を話していたらしい。どちらか片方が死ねば、もう片方も死ぬという事実、互いに居場所が分かる事、互いの鼓動が分かる事、全て。
その個性からボクを解放してやってほしいと、あの弔が寄りにも寄ってオールマイトに頼んだ事自体、ボクには信じられなかったけど、昨日彼奴が言っていた出所祝いがこれなのだとすれば、腑に落ちてしまう。
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パル(プロフ) - 夢桜さん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!亀更新にも関わらず更新を楽しみにして下さり、また夢主の暴言三昧を愛らしいと言って下さった上にまた読みに来て下さるだなんて、本当に感無量です！嬉しいお言葉の数々が今後の励みになります！本当に有難う御座いました！ (2021年10月11日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつ頃か更新を今か今かと楽しみにし続けていましたので少し寂しい気もしますが、デクの諦め悪い精神や夢主のボロッカスな口の悪さも愛らしく、とても読むのが楽しかったです！長い期間お疲れ様でした、終わっても尚、また読みに行きます。 (2021年10月11日 11時) (レス) @page31 id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - ゆいさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!面白いと言って頂き、本当にそのお言葉が励みになります！残り僅かの更新にはなりますが、最後まで楽しんで頂ける様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願いします！ (2021年9月17日 19時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 面白いです！応援してます！ (2021年9月17日 10時) (レス) id: 8f748b15fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年9月16日 22時
