【１６７】 ページ19
オールマイトはまるで頭を抱える様に顔の前で手を組み、溜め息を吐き出すと「先ず、君の面会を拒んだのは他でも無い彼女自身だ」と告げる。その意図が分からず、何も言えない僕にオールマイトは話を続けた。
「詳しい理由を明かす事は無かったが……それでも、彼女は自分の立場を重く受け止め、君の負担にはなりたくないのだと話していたよ。敵(ヴィラン)である自分とヒーローが必要以上に関わるべきで無いともね」
彼女の言いたい事は分からなくも無い。だけど、それはあまりにも一方的過ぎるものだ。立場上、確かに僕はヒーローで彼女は敵(ヴィラン)だ。想いを寄せる事自体、間違っているのかも知れない。でも、僕が心底惚れたのは敵(ヴィラン)のプロセルピナで無く、瀬崎Aという一人の女性だ。
なのに、立場を理由に僕を遠退ける彼女の言い分に身勝手だと、恨み言が零れそうになる。
「ただ、彼女の癖と言えば良いのか。彼女、無意識に個性が出てしまう事があるんだが……何か分かるかい？」
「……？」
無意識に個性が出るという話は彼女から聞いた事があった。事実、僕は彼女の……と言うより、プロセルピナだった頃の彼女の具現体と会った事がある。
拾われない言の葉を拾い集め、人の願いを聞き届け続け、自分自身が行く宛ても無くボロボロに痩せ細ってしまっていた当時の彼女の具現体。
オールマイトは首を傾げる僕に生温い眼差しを向け「君の具現体を出しているんだよ」と柔く笑った。
「え……あ、それってデクミニマムズの事ですよね？」
「ん？ああ、確かに小さな君もよく見掛けるが、そうじゃなくて、彼女が無意識に等身大の君を出してしまっているみたいなんだ」
「っ……！」
それは……つまり、彼女が今でも僕を想ってくれていると自惚れても良いのだろうか。ミニマムズでは無く、僕を出しているという事は彼女の中に僕が居ると思っても良いのだろうか。
自然と涙が頬を伝っていく。本当なら会いたかった、声を聞きたかった、彼女の姿を一目でも良いからこの目でちゃんと見たかった。だけど、オールマイトの言葉はそれ以上に僕の心を満たしてくれたのだ。
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パル(プロフ) - 夢桜さん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!亀更新にも関わらず更新を楽しみにして下さり、また夢主の暴言三昧を愛らしいと言って下さった上にまた読みに来て下さるだなんて、本当に感無量です！嬉しいお言葉の数々が今後の励みになります！本当に有難う御座いました！ (2021年10月11日 21時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつ頃か更新を今か今かと楽しみにし続けていましたので少し寂しい気もしますが、デクの諦め悪い精神や夢主のボロッカスな口の悪さも愛らしく、とても読むのが楽しかったです！長い期間お疲れ様でした、終わっても尚、また読みに行きます。 (2021年10月11日 11時) (レス) @page31 id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - ゆいさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!面白いと言って頂き、本当にそのお言葉が励みになります！残り僅かの更新にはなりますが、最後まで楽しんで頂ける様に頑張りたいと思います！今後ともこの作品をよろしくお願いします！ (2021年9月17日 19時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 面白いです！応援してます！ (2021年9月17日 10時) (レス) id: 8f748b15fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年9月16日 22時
