【６８】 ページ19
―――プロセルピナ逃亡の報を受け、真っ先に頭に過ぎったのは、奴を散々煽りに煽っていた彼女の小憎たらしい笑みであり、社長に「護衛に戻ります！」と慌てて彼女の家に戻る。
流石にプロセルピナも彼女の家の特定には至っていないだろうけど、万が一という事もある。僕が行く事で更にリスクが高くなるが、それでも放っておくなんて事は出来る筈も無く、念の為に周囲を警戒しつつ彼女の家に帰ると、そこには奇妙な光景が広がっていた。
「せじゃきしゃん！せじゃきしゃん！にものー！にものー！できたよー！にものー！」
「嘘付け、出来て無いだろ」
「せじゃきしゃん！せじゃきしゃん！にものー！」
「マヌケが帰って来たら作らせるから黙ってろっての！」
「せじゃきしゃん！せじゃきしゃん！」
「ええい！邪魔！散れ散れ！踏み潰されたい訳！？」
キッチンで調理する彼女の周りや頭の上、肩、それから室内の至る所に僕の具現体……所謂、デクミニマムズが何匹も居て、目の前に広がる光景に先程まで感じていた焦燥感も不安も全てが霧散していく。
「ん？ああ、帰ったのか」
デクミニマムズと戯れながら夕飯を作っていた彼女は帰宅した僕の存在に気付くが、見られて困る様なものでは無いのか、動揺する素振りなどは一切見られず「今日のお前の餌は中華だ」と告げる。
「えっと……これは？」
「デクミニマムズだけど？」
いや、そうじゃなくて。え、まさか……彼女、僕が居なくて寂しかったとか、そんな可愛い事を考えてたり……
「言っとくけど、ミニマムズとお前は別モンだ。一緒にすんなよ」
僕の淡い期待を容赦無く砕いた彼女に分かり切っていた事とは言え、悲しくなってくる。見た目は僕が手乗りサイズになっただけでこの扱いの差だ。僕も彼女に優しくされたい。
「デクミニマムズ、集合！」
「ハイ！ハイ！」
「これ、零さない様にテーブルに運べ」
「わかったー！わかったー！」
「デク、りょーかい！」
中華炒めが乗せられたお皿をミニマムズに運ばせる彼女に何とも言えない顔をすると、彼女は「お前も突っ立ってないで働け！マヌケ！！」と吠える。その温度差と言ったら、本当に涙が零れ落ちそうになるくらいだ。
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パル(プロフ) - 楊離月さん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!楽しんで頂けて良かったです。自分でもミニマムズを結構気に入っていたのでそう言って頂けて嬉しく思います！亀更新ではありますが、今後ともよろしくお願い致します。 (2021年5月16日 20時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
楊離月(プロフ) - 夢主さんとデクのやり取りを見てめっちゃ楽しかった！久々こんな微笑ましい緑谷くんの話読んで大満足です！これからの二人さんが楽しみですね…！みにデクたちマジかわいいすぎこっちにも来てほしい(おい (2021年5月15日 23時) (レス) id: 3422f57d59 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - Pandaさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！前作に引き続き今作まで読んで下さって本当に有難う御座います！亀更新になってしまっていますが、どうか今後ともよろしくお願いします！ (2021年3月24日 11時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
Panda - わぁああ！！！もう相変わらずの素敵な物語に驚愕しております！！！リアルが忙しくなかなか読みに来れなかったのですが、読んで疲れが一気に飛びました！！この夢主ちゃん(ちゃんと言っていいのか…？)とても好きです！二週目してきます！ (2021年3月24日 7時) (レス) id: 6df71f9a53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2021年2月19日 16時
