【ヒロアカ】Question (ページ27)

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【２６】ページ27

どうやら、僕が行方不明になっている間はプロセルピナにも動きは無かった様で、事務所が僕が無事であると公表した日の夜……つまりは昨夜、事件は起こったという。

「昨夜、君の同期である爆心地がプロセルピナに襲撃を受けた。大した怪我はしていないと聞いているが、交戦するもプロセルピナの確保には至らず……続けて、ウラビティやショートも襲撃を受けたらしい」

難しい表情の社長は、後に襲撃を受けた二人にも大した怪我は無いと話すが、名前が上がったこの三人は僕と同期の雄英出身者であり、敵連合壊滅作戦に参加していたメンバーだった。

偶然にしては、プロセルピナが宣言していた復讐に沿っている。単に僕の同期を狙った訳では無く、恐らく敵連合壊滅作戦に参加していたヒーローが標的になっているのだろう。

「そして本日の早朝、敵(ヴィラン)の収容施設が襲撃され、敵連合に関与していた数名の敵(ヴィラン)の脱獄を許すという事態が報告された」
「なっ……！？」
「脱獄犯の中に敵連合の主な構成員だった者は居なかったらしいが、事態は着実にプロセルピナの思い描くものに沿って進んでいる訳だが……」

そこで言葉を濁した社長の言いたい事は分かる。プロセルピナの言う敵連合の復活は敵連合を新しく作り直すのでは無く、過去の構成員を奪還しての復活を意味していたのだ。そうなると、次に襲撃されるのはヒーローでは無く、今回の襲撃を受けた収容施設とは別の収容施設に違いない。

「現在、この区画のヒーロー事務所全てに、プロセルピナの即時確保の要請が出ている。プロセルピナはヒーローだけに飽き足らず、市民への無差別な虐殺行為にも及んでいる。早急に手を打たねばならない」

嗚呼……もどかしい。動けない自分に、何も出来無い自分に腹が立つ。デクである僕が必要とされているのは今この時なのに、それが出来無い事が悔しくて堪らない。

「デク、オールマイトから伝言を預かっている」
「っ、オールマイトから……？」
「ああ。……君のやるべき事は治療に専念する事だ、と。そして、私の方にもデクの怪我の完治が確認出来るまでは、出動を禁ずる様にと」

オールマイトや社長の言葉に、僕は何も言い返す事が出来無かった。当然だ、今の僕に何が出来ると言うのか。プロセルピナを取り逃した挙句、瀕死の重傷を負わされて、彼女が助けてくれなければ確実に命を落としていた身だ。