【ヒロアカ】Question (ページ2)

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梅雨入りしたばかりで湿気の多いこの季節。毎年の事とは言え、普段よりも畝りが激しい髪に溜め息を零す僕は本日から通常業務を離れ、とある人物の張り込み捜査の任に就く事になっていた。

調査対象は、五年前に僕を含めたヒーロー達が死闘を繰り広げ、何とか壊滅まで追い込んだ敵連合の構成員の一人、プロセルピナという名の敵(ヴィラン)だ。と言っても、調査対象である人物がプロセルピナである可能性は低い様で、偶然担当区域内にその人物が住んでいた事から、僕に白羽の矢が立ったというのが事の経緯になる。

既に確保されている敵連合の主な構成員とは違い、プロセルピナは敵連合としての活動は一切無く、その正体についても不明点が多い。年齢、性別、個性共に確かな情報は無く、プロセルピナという名だけがヒーロー界隈は勿論の事、敵(ヴィラン)達の間でも噂されてる正体不明の敵(ヴィラン)だ。

主な犯罪歴は殺人一色。被害者の遺体には毎回一輪の花が添えられていて、それがプロセルピナの犯行である事を物語る証拠として取り上げられている。それ故、敵連合は壊滅し、主犯格である死柄木弔を含めた構成員が捕らえられた今も、オールマイトやグラントリノは水面下でプロセルピナの行方を追っていた。

そして、捜査線上に浮上した一人の女性がプロセルピナの第一の事件発生当時から行方不明になっていた少女と顔や名前、個性が一致しているという事から、可能性は低いが調査を行う事になったのである。

普段、仕事着として着用しているコスチュームは目立つ為、自分の特徴を隠す様に変装を施して家を出た。

雄英を卒業し、プロのヒーローとして活躍する様になってから五年の月日が経つ。敵(ヴィラン)の数がヒーローのそれよりも上回っているせいか、毎日取り締まりを行う日々だけど一向に犯罪率は減少せず……これが社会の現状であるとまざまざと思い知らされる。

もっと、頑張らないといけない。まだまだ強くならないと誰も守れない。そんな風に自分を追い込み、日々ヒーローとして活動する同期達の活躍に背筋を伸ばされる僕は、調査対象が勤める○○総合病院へと訪れた。

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