【２８４】side無し ページ44
何か、何か方法は無いのかと、八百万は彼女を抱き締めたまま、彼女がこれ以上苦しまずに済む方法を焦燥感に掻き立てられるがままに模索する。自分達が死なない事、爆豪が死なない事を前提に凡百可能性を思案し、自分にはどうにも出来無い“世界の流れ”という大きな壁にぶち当たってしまう。そして、八百万は決断する。
「……Aさん」
「最低な、人間なの……私」
泣きながらそう自嘲気味に吐き出す彼女を緩く離した八百万は、真っ直ぐと彼女を見詰めると……
「Aさん、私も共に背負いますわ。変えられるものであるのなら、変えましょう……？」
「百ちゃん……？」
「私に、これから先に起こる事を話しては下さいませんか……？」
「！……っ、それは」
八百万にとって、この世界は現在であり、過去では無い。彼女にとっては過去としての流れが存在しているからこそ、彼女は全てを知っているが故に背負い込んでしまう。
それならば、それすらも変えてしまえば良い。そう八百万は考えたのだ。彼女が世界の流れを変え様としない理由は大きく分ければ二つ存在する。
一つは、改変した事に寄るその先の変化を恐れているからだ。元の世界では、誰一人欠けずに卒業する事が出来た為、生徒達の死を阻止しようとする彼女の動きそのものは世界の流れに干渉してはいない。故に彼女は全力で死を阻めた。
二つ目は、単純に彼女一人では幾ら常軌を逸した個性を所有してい様とも、圧倒的に手がそちらに回らなかったからだ。彼女の最優先は1‐Aの生徒達である為、そちらを疎かにする訳にはいかない。だが、八百万がそこに加わる事が出来るなら話は変わる。万能とは言えずとも、彼女一人ではどうにもならない事でも、二人であれば何とか突破口が開けるのではないか。八百万はそう考えたのだ。
彼女が爆豪と共に立てた裏切りがどうであれ、この世界が完成した後、元の世界の過去は消滅し、この世界の過去が上書きされる。そして、彼女は今現在この世界で生きている。
「私達の世界の事ですもの。Aさんだけが全てを背負い込む必要など、何処にもありませんわ」
八百万のその言葉で彼女は察してしまう。八百万もまた、爆豪の様に自分を想い、それを提案したのだと。
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パル(プロフ) - Pandaさん» 前回に引き続き、今回でもｺﾒﾝﾄ有難う御座います！度々更新が遅れてしまうかも知れませんが頑張って更新します！応援、本当に有難う御座います！感謝感謝です！ (2020年9月13日 12時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
Panda - 続編おめでとうございます！今後も応援してます!続きがめっっっっっちゃ楽しみです！！！ (2020年9月13日 11時) (レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2020年9月5日 23時
