【２７９】 ページ39
寮から離れはいると言っても、同じ敷地内だ。当然、喧騒は聞こえてくるが、特別気にも止めずに彼奴の金の髪を指で絡め取り、遊ぶ様に梳きながら気持ち良さそうに眠る彼奴の頬を軽くつつく。食事中、ﾊﾟﾝﾊﾟﾝに膨れ上がる彼奴の頬を思い出し、こん中にどんだけ詰めりゃあ、あんなハムスターみたいになんだか……と、呆れながらも自然と笑みが零れる。その時……
「ﾋｨ……！」
何やら近くの茂みから俺を苛立たせるには充分過ぎる声が聞こえ、ｷﾞﾛｯと睨みながら振り向けば、そこには揃いも揃って俺達を覗き見しているクラス連中が居て、今しがた悲鳴の様な声を出したのが顔面蒼白になっているブドウ野郎だと察し、脳内爆破リストに記録した。ぜってぇーブッ殺すｯ!!
「何見とんだ！ゴラァ！！」
「ちょ！爆豪君！しーっ！！Aちゃん、起きるって！」
「ンなもんで起きねぇわ！！」
こんだけ叫んでも眉一つ動かさずに呑気に眠る彼奴をそのままに、威嚇する様に個性をチラつかせると、クラス連中は「まぁまぁ、そう怒るなって、な？」と茂みから出て来やがる。
「失せろ！」
「ﾌﾌｯ、今日ずっと眠そうだったものね、Aちゃん」
「来んな、見んな、帰れ！」
「折角だし、私達も昼寝するー？」
「散れや！！！」
彼奴に群がり出す女子共に怒鳴り散らすが、俺の言葉など全く気にせず、ポニーテールがブランケットを創造し、彼奴に掛け出した事で、何故かそのまま全員がこの場に居座る流れに。
「悪い！バクゴー！一応止めたんだけどよ、皆二人がどんな感じに過ごしてんのか気になってたみてぇでさ」
「テメェもノコノコ来てんじゃねぇよ！！」
「悪い！！！」
「思ってねぇだろうがァ！！」
彼奴の寝顔を微笑ましそうに眺める女子共は口々に「幸せそうに寝ちゃってさ」「ホント、アンタと居る時のAって、幸せ満開って感じだよね」と言う中、彼奴の事情を知るポニーテールだけは、他の連中とは違った眼差しを彼奴に向けていた。
「……おい、ポニーテール」
「え……はい、何でしょうか？」
「テメェから見ても、そう思うのかよ」
他の連中が居る手前、深く追及する事は出来ねぇが、事情を知るポニーテールの目に彼奴がどう見えているのか、単純に気になった俺はそう投げ掛けた。
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パル(プロフ) - Pandaさん» 前回に引き続き、今回でもｺﾒﾝﾄ有難う御座います！度々更新が遅れてしまうかも知れませんが頑張って更新します！応援、本当に有難う御座います！感謝感謝です！ (2020年9月13日 12時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
Panda - 続編おめでとうございます！今後も応援してます!続きがめっっっっっちゃ楽しみです！！！ (2020年9月13日 11時) (レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2020年9月5日 23時
