【２６４】夢主side ページ24
喜びと罪悪感。競り合う様にその二つの感情が込み上げてくる。有難うと素直に受け入れる事も出来ず、だからと言って謝る事も出来無い。
結局のところ、何がどうなろうとも彼の死が既に起こってしまった事象として残っている以上、私のやる事は変わらないのだから。
お茶子ちゃんの腕にある私の手を離れてしまわない様に下に滑らせ、お茶子ちゃんのそれを繋ぎ止める。
「……うん、分かった。充分、分かりました」
鼻の奥がﾂﾝｯと痛くなるのを感じながら、決して涙は流すまいと浅く息を吐き出す。
「信じる。お茶子ちゃんの事、なぁーちゃん達の事も……信じるから」
繋ぎ止めたお茶子ちゃんの手を自分の頬へと寄せ、これがお茶子ちゃんの思いに対する答えだと伝える様に微笑む。
「後の事は、任せてほしいな。お茶子ちゃん達の思いを絶対に無駄になんてしない。約束する」
溢れ出すお茶子ちゃんの涙を指で拭い去り「必ず、あんな未来にならない様にしてみせるから」とお茶子ちゃんの頬を撫でた。
「Aちゃん……」
「さてと、先ずはこの状況を打破しよう……？私も、あの人には聞きたい事があったから、丁度良かったの」
「聞きたい事……？」
「うん。それじゃあ、個性を解除するよ」
此処から先は、お茶子ちゃん達の為じゃない。私があの男を許す事が出来無いから動くの。私怨以外の何物でも無い感情で、この手に武器を持つ。
嗚呼……この日をどれだけ夢に見た事だろう。あの男とこうして再び会う事になるなんて、夢にも思わなかったけれど、ノコノコこの世界へ来た事を後悔すれば良いと思うな。
「今日はきっと、良い日になるね」
そう笑った私にお茶子ちゃんが顔を引き攣らせるけれど、私はそれを見て見ぬフリをして、あの人を睨み付ける。
さあ、始めよう……？
幾星霜を彷徨い歩いた私の、復讐劇を。
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パル(プロフ) - Pandaさん» 前回に引き続き、今回でもｺﾒﾝﾄ有難う御座います！度々更新が遅れてしまうかも知れませんが頑張って更新します！応援、本当に有難う御座います！感謝感謝です！ (2020年9月13日 12時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
Panda - 続編おめでとうございます！今後も応援してます!続きがめっっっっっちゃ楽しみです！！！ (2020年9月13日 11時) (レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2020年9月5日 23時
