【２５４】 ページ14
仮免試験があった夜、内に溜まりに溜まったもんを発散させる様にデクに喧嘩を吹っ掛けた俺は、そこでデクとオールマイトの秘密を知った。神野の時から何かしらある事は薄々気付いてはいたが、話を聞いて腑に落ちる。
そこからは以前よりもデクを不快に思う事は多少なりとも減ったが、それでも今までが今までである為、和解したからと言って馴れ合うつもりなんざ更々無く、謹慎が解けてからの週末は仮免の補講へ行く様になった事により、大した話はあれ以来無い。
ただ、それとは別にオールマイトに話があり、放課後、彼奴を先に寮へ帰らせ、給湯室でオールマイトと向き合う様にソファーに座っていた俺は「オールマイト」と話を切り出した。
「相談かな？」
「違ぇわ！」
「いやぁ、こうして爆豪少年と二人きりというのも中々新鮮で。それで、話って何だい？」
呑気に茶を啜りながら聞いてくるオールマイトに「Aの事だ」と告げると、オールマイトは湯呑みを置き、神妙な顔付きへと変える。
「先に言っとくが、俺は何も言ってねぇからな」
「と言うと、やはり時枝少女は既に緑谷少年と私の事を知っていたのか」
「ああ。あれがあった次の日、彼奴から言ってきたわ」
彼奴はどうやら、元の世界ではあの場に居たらしく、俺以上にワンフォーオールの事を熟知していた。流石に未来の事は話さなかったが、ただ一言「緑谷君は、これからもっと強くなる」と言っていた。
「そんで、アンタに悪い事をしたって落ち込んでやかったわ」
「私に……？」
「彼奴は、神野でオールマイトが力を失う事を知ってた。知りながらアンタを一人で戦わせたって、泣いてやがったんだよ」
何が最善で何が最良であるのか、彼奴はこの世界で起こる事の大まかな流れを熟知している。だからこそ、本来背負わなくて良いものまで背負っちまう。
「そう、か……時枝少女が気にする事じゃないんだが、あの子は知ってしまっているが故に背負うものが多いのだろうね」
「……アンタから何か言ってやれねぇのか」
出来る事なら、彼奴の抱えるもんを可能な限り減らしてやりたいと思う。毎晩魘される彼奴を見る度、その苦しみが少しでも晴れる様にとあれこれ俺に出来る事はやったつもりだが、それでも彼奴は悪夢に苦しめられ続けている。
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パル(プロフ) - Pandaさん» 前回に引き続き、今回でもｺﾒﾝﾄ有難う御座います！度々更新が遅れてしまうかも知れませんが頑張って更新します！応援、本当に有難う御座います！感謝感謝です！ (2020年9月13日 12時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
Panda - 続編おめでとうございます！今後も応援してます!続きがめっっっっっちゃ楽しみです！！！ (2020年9月13日 11時) (レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2020年9月5日 23時
