【253】side無し ページ13
緑谷達の視線を受け、風間は「不都合……とは、言いません」と不敵に目を細め、口角を吊り上げる。
「何故なら、アナタ方ヒーローは我々政府の傘下にあるも同然の存在。故に、政府としての決定を邪魔しようだなんて考える筈も無い。仮に邪魔立てしようものなら、それはヒーローでは無く、敵(ヴィラン)の行いとして我々は処理も厭いません」
「ッ……!!」
「我々は明日にでも雄英を襲撃します。目標の奪還では無く、目標に近しい雄英生の殺害を目的として」
「ふざけんじゃねェ!!ンな事……!!」
「至って真面目です、烈怒頼雄斗。これは我々の世界を救う為の策であり、躊躇するなどあってはならない事です」
そう顔色一つ変える事無く告げる風間に、切島は我慢の限界だった。その手に固く握り締めた拳を涼しい顔をする風間へと向け様と立ち上がった時、それより早く影か動いた。
パァンッッ───…
乾いた音が室内に響き渡り、切島が風間を殴る前に麗日が風間に平手打ちを浴びせたのだ。
「っ、麗日さん!!」
「デク君……ごめんな。私、此処で降りる。こんなん、こんなんが政府のやり方やって言うんなら、私は……この世界と一緒に消える方がずっとマシや」
打った手を握り締め、苦しそうに眉を顰めながら告げる麗日は「勝手にしたらええ」と、平手打ちを喰らい、椅子からすっ転んだ風間に吐き捨てる。
「政府がどんなけ偉いんか、そんなんどうだっていい。でも、人の尊厳を平気で踏み躙るんが政府のやり方なら、私はついて行かれへん」
「俺も降りる。俺はやっぱ……無理だ」
悪い、緑谷。と麗日と共に部屋から出て行こうとする切島に「離叛と受け取りますが?」と問い掛ける風間はゆっくりと身体を起こす。
「勝手にしろ。仮に時枝を連れ戻す事が出来たとしても、俺は戻らねェ」
そう吐き捨ててホテルを後にした切島と麗日。その後を追う緑谷、轟、飯田を悲しげに見詰めた蛙吹は「さっき作戦に賛同は出来無いわ」と告げる。
「だけど、やり方はどうであれ、アナタ達が私達の世界を救うと約束してくれるのなら、私は私の大切な人達が居る世界へ帰るわ」
「賢明な判断です、フロッピー。後の事は我々に任せて下さい」
こうして蛙吹は一人、元の世界へと帰還したのである。
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パル(プロフ) - Pandaさん» 前回に引き続き、今回でもコメント有難う御座います!度々更新が遅れてしまうかも知れませんが頑張って更新します!応援、本当に有難う御座います!感謝感謝です! (2020年9月13日 12時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
Panda - 続編おめでとうございます!今後も応援してます!続きがめっっっっっちゃ楽しみです!!! (2020年9月13日 11時) (レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パル | 作成日時:2020年9月5日 23時