【５８】side無し ページ9
―――授業が全て終了した放課後の事。職員室で生徒達から提出された職場体験先の志望リストに目を通していた相澤は彼女が提出した用紙を見て「此奴もか……」と思わず呟き、飯田のそれと机に並べる。
東京の保須市にあるマニュアルヒーロー事務所へと志望した飯田と同じく、マニュアルから指名を受けていた彼女も第一志望にマニュアルヒーロー事務所の名前を書いていた。
入学から数ヶ月、授業や訓練を通して生徒達を見ていた相澤は他の生徒達とは明らかに異質である彼女の存在をこの先どう扱って良いのやらと頭を悩ませる。
やる気の無い生徒であれば、即刻除籍処分という方法を取る事も検討していた相澤だったが、彼女の授業態度は投げやりな訳でもやる気が無い訳でも無く、全ての訓練に於いてそつなくこなしている為、余計に扱い辛さを覚えていたのだ。
「時枝少女は飯田少年と同じ場所か。他にも幾つか指名はあったと記憶しているんだが……」
今しがた職員室に戻って来たオールマイトが相澤の背後から机に並ぶ二人の志望リストを覗き込み、不思議そうに首を傾げる。
「ええ、ギャングオルカの事務所からも来てましたよ」
「これまたミスマッチな……」
「まぁ……分かる人間が見れば、体育祭で彼奴が手を抜いていた事くらいは気付くでしょうし、ギャングオルカに至ってはゆるっゆるの時枝を更生させたかったんでしょう」
「私の希望としては是非とも、あの御仁に扱かれてほしいところだねぇ」
「同感です」
軽く溜め息を吐き出す相澤は「ヒーロー基礎学でもあの調子のまま変化無しですか」とオールマイトに尋ねながら他の生徒達の志望リストに目を通していく。
「お察しの通りだよ。授業内容の要所は押さえているので私としても強くは注意も出来無くてね。他の生徒達とは違い、訓練への意欲こそ感じられないが理に適った動きは見事だったよ」
「欠点らしい欠点についてはどうです？」
腕を組み、考える様に唸るオールマイトは「授業の範囲内で個を分析する限りでは見当たらないな」と含みのある物言いをする。
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パル(プロフ) - 一寸先はダークさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!凄いだなんてとんでもないです (汗)はい！頑張ります！今後ともよろしくお願い致します！！有難う御座いました！ (2020年3月24日 13時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
一寸先はダーク - 何か、凄いですね！個性が何か分からんなぁ、何となく推測はして多分こうじゃないかな？みたいな所まではいったんですけど、まだまだ分かりませんね！これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2020年3月24日 11時) (レス) id: 94fd455da1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2020年3月17日 8時
