【９７】side無し ページ48
彼女の言葉に頭に疑問符を浮かべる緑谷に優しく微笑んだ彼女はゆっくりと手を下ろし、遠ざかって行く爆豪の背中を見詰め「勝己君の事は考えても仕方無いと思うの」と目を細める。
「えっと……時枝さんはかっちゃんの事が好きなんだよね……？」
「でも、勝己君は緑谷君を目の敵にしてるから、話し合いにもならないでしょ？」
「時枝さんが間に入ってくれたら……！」
「ﾌﾌｯ、本気でそう思う？」
肩を竦めて笑う彼女は「曲がらないよ。勝己君は」と言う。
「他人の意思で変わる様な半端な気持ちなんて、勝己君には無いから。でも、変わるのなら、勝己君自身がそれを飲み下して、自分の意思にする他無いの」
「時枝さん……」
「例え、私が間に入ったとしても、逆に怒らせしまうから。勝己君にその意思があるのなら、自然と嫌でもそうなる」
幼馴染みの緑谷以上に爆豪がどういう人物であるのかを語る彼女に緑谷は「その、本当に……よく見てるんだね、かっちゃんの事」と俯いてしまう。
緑谷自身もよくよく考えれば、今此処で彼女と作戦を立てたとしても、爆豪が賛同する事は勿論、逆に怒りを買う事は明白であり、彼女の言う通り、爆豪の中の感情は他者が容易に変えられるものでは無いのだと分かっていた。
分かっていたが、それでも自分達の相手はあのオールマイトであると、焦りが生まれたのである。
「勝己君の事だけじゃないよ？ちゃんと、緑谷君の事も見てる。他の皆の事も見てます」
「え……」
「皆、私の大好きだった人達に良く似てるの。だから、目が離せなくて、つい……余計な心配ばかりしてしまう」
彼女の言葉に自然と飯田の事を思い出した緑谷や話を聞いていた相澤とオールマイトは空を仰ぎ見る彼女に視線を向ける。
「その、時枝さんの大好きだった人達って……？」
緑谷の問いに視線だけを寄越した彼女は「緑谷君が良く知る人達の事だよ」と言い残して、爆豪の後を追って行ってしまったのだった。
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パル(プロフ) - 一寸先はダークさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!凄いだなんてとんでもないです (汗)はい！頑張ります！今後ともよろしくお願い致します！！有難う御座いました！ (2020年3月24日 13時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
一寸先はダーク - 何か、凄いですね！個性が何か分からんなぁ、何となく推測はして多分こうじゃないかな？みたいな所まではいったんですけど、まだまだ分かりませんね！これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2020年3月24日 11時) (レス) id: 94fd455da1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2020年3月17日 8時
