【７３】ギャングオルカside ページ24
試練の結果を受け、時枝についての評価を改める必要があった事は言うまでも無く、奴はどうやら基礎はしっかりと身に付けている様だ。
建物への被害も無く、時間内に与えられた仕事以上の結果を出し、相手を無力化させる。自らを餌に誘き寄せる作戦も成った訳だが、これは初見であったからこそ通ったと言っても過言では無いだろう。
見た限り、転移はあくまで移動であり、攻撃に転じる際は必ず姿を現す必要がある上に近距離攻撃と分かれば、対処出来無くは無い。それにあの禍々しい大鎌も恐らく、転移の個性ありきで運用出来ている代物だろう。
「ギャングオルカ、サイドキックの人達、どうしましょう……？」
転移で俺の元に戻って来た時枝は困った様に眉を下げながら「うぅ、痛かったよね、痛かったですよね」と気を失っているサイドキック達を見ながら言う。
「構わない、転がせておけ」
「うぅ……」
「それより、さっき振り回していた大鎌は出せるな？」
「大鎌ですか？はい、どうぞ」
そう緩く笑い、大鎌を瞬時に出現させた奴は「よいっしょっと……」と重量のあるそれを手渡す。
「……成程、鎌の部分のみ重量を乗せ、勢いで殴り付けるといった使用方法か。だが、これでは振り回される事もあるだろう」
「そうですね。でも、その鎌の本質は攻撃では無いので」
「と言うと？」
「私にはどう足掻いてもパワーは身に付けられません。筋力トレーニングをしたところで知れていますし、個性の性質上サポートが精々でしょう」
今しがたプロヒーローを十名伸した奴の言葉では無いと思うが、確かに時枝の言わんとする事は理解出来る。女である以上、腕力に関しては鍛えるにしても限度はある。
「その鎌、ご覧の通り刃は付けていないんです。誰かが危ない目に遭ってしまった時、その人を引き戻す為のものだから」
「ほう……体育祭で手を抜いていた奴の言葉とは思えないな」
怠慢故の手抜きだったのか、或いは大衆に見られる事を避けたのか……いや、後者はヒーローを目指すのであれば、避けては通れない道だろう。ヒーローは目立ってこそ、その知名度も活躍も期待される。
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パル(プロフ) - 一寸先はダークさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!凄いだなんてとんでもないです (汗)はい！頑張ります！今後ともよろしくお願い致します！！有難う御座いました！ (2020年3月24日 13時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
一寸先はダーク - 何か、凄いですね！個性が何か分からんなぁ、何となく推測はして多分こうじゃないかな？みたいな所まではいったんですけど、まだまだ分かりませんね！これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2020年3月24日 11時) (レス) id: 94fd455da1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2020年3月17日 8時
