【６８】side無し ページ19
―――職場体験当日。生徒達は各々自分の職場体験先へと電車で向かう中、彼女は早速と言わんばかりに爆豪へとメッセージを送り付けていた。内容はあって無き様なものだが、一週間も爆豪に会えない事を嘆く様に泣いている子犬のスタンプをこれでもかと言う程に送り付けている。
『うぜぇんだよ！！』
『返してくれるの、嬉しいな』
『無駄に送ってくんなっつっとんだろ』
『無駄じゃない。ちゃんと愛を込めてるよ？』
『キメェ』
そう言いながらも送れば返事を寄越す爆豪に「ﾌﾌｯ、律儀と言うか、爆豪君らしいと言うか」と携帯を眺めながら微笑む彼女は隣の座席に置いてあるコスチュームが入ったスーツケースを愛おしげに軽く撫でる。
『頑張るね』
『精々、扱かれて来いや』
『爆豪君もね』
『次会ったらぶっ殺す』
『爆豪君の照れ隠しはホント、過激で困る』
『次それ言ったらブロックすんぞ』
『ごめんなさい』
小一時間程、爆豪とメッセージでやり取りをしながら到着までの時間を潰していた彼女はギャングオルカの事務所がある最寄り駅へと着くと『行ってきます』とピースサインを作った自撮り写真を添付し、送信したのだった。
地図を頼りに街を歩きながらギャングオルカの事務所を目指す彼女は「初めてだな……」と街並みを見渡しながら呟く。
遠征する機会があまり無かったのか、それとも単純にこの街を訪れる事が初めてだったのか、物珍しそうに辺りを眺めながら歩き進める彼女はﾁﾗﾎﾗと目に映るヒーロー事務所の看板を眩しそうに見る。
切望や羨望、寂寥といった感情が綯い交ぜになった様な複雑な眼差し。憧憬とは明らかに違うそれは、まるで無くしたものを取り戻すかの様に感じられる。
「……今度こそ、手放したりしない」
胸の真ん中に手を当て、そう決意を固く刻む彼女は真っ直ぐとギャングオルカの事務所へと向かい、到着すると早速と言わんばかりにギャングオルカの待つ社長室へと案内され、そこで鎮座するNo.10ヒーロー、ギャングオルカと対峙する。
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パル(プロフ) - 一寸先はダークさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!凄いだなんてとんでもないです (汗)はい！頑張ります！今後ともよろしくお願い致します！！有難う御座いました！ (2020年3月24日 13時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
一寸先はダーク - 何か、凄いですね！個性が何か分からんなぁ、何となく推測はして多分こうじゃないかな？みたいな所まではいったんですけど、まだまだ分かりませんね！これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2020年3月24日 11時) (レス) id: 94fd455da1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2020年3月17日 8時
