【６２】side無し ページ13
何も言わないオールマイトも相澤と同意見であるのだと察した彼女は一度口を開き掛けるが、再び唇を噛み締め黙り込む。
「ヒーロー科に在籍する事の意味をちゃんと考えろ。此処は中途半端な奴が居て良い場所じゃねぇ。それでも残りてェ理由があるなら、ギャングオルカの元で学べ。それが出来ねぇなら普通科に編入しろ。これはあくまで譲歩だ」
最悪、除籍にする事も厭わねぇぞ。と半ば脅しとも受け取れる様に凄む相澤に彼女は「……わかり、ました」と感情を押し殺しながら告げる。
「……一つ、これだけは覚えていて下さい」
そうソファーから立ち上がった彼女は「私を見誤らないでもらいたい」と鋭い眼光を突き刺す。
「先生達の目にどう映っているかなんて、私には興味無いです。でも、ヒーローを目指して無いなんて事は絶対に有り得ない」
息を呑む程に貪欲にギラつく彼女の見た事も無い様な赤い瞳。その強過ぎる激情に相澤とオールマイトは彼女の言う通り、自分達が見誤っていたと痛感せざるを得無いと気圧されてしまう。
「ギャングオルカの事務所への件、了解です。それでは失礼します」
「時枝少女……！」
応接室から出て行こうとする彼女を咄嗟に呼び止めたオールマイトだったが、彼女は扉に手を掛けると「これ以上、話す事はありませんよ」と去って行くのだった。
残された相澤とオールマイトは緊張を解す様に息を吐き出すと「驚いたな」と苦笑を浮かべる。二人が驚くのも無理は無く、あれ程までの激情を今まで微塵も垣間見せる事も無く、身の内に秘めていたのだから。
「結果オーライと言って良いのやら疑問ではあるが、一先ずは様子見するしか無いだろうね」
「そうですね。飯田の件に関してはあちらの事務所にそれと無く注意してもらうよう、声は掛けておきます」
「ああ」
その後、相澤とオールマイトは校舎の窓から爆豪に手を引かれながら帰る彼女の姿を確認し、思わず顔を見合わせると、ﾌｯ……と穏やかに笑みを浮かべたのだった。
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パル(プロフ) - 一寸先はダークさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!凄いだなんてとんでもないです (汗)はい！頑張ります！今後ともよろしくお願い致します！！有難う御座いました！ (2020年3月24日 13時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
一寸先はダーク - 何か、凄いですね！個性が何か分からんなぁ、何となく推測はして多分こうじゃないかな？みたいな所まではいったんですけど、まだまだ分かりませんね！これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2020年3月24日 11時) (レス) id: 94fd455da1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2020年3月17日 8時
