【５０】side無し ページ1
あれから数日後に行われた体育祭。結果は選手宣誓で自分が一位になると宣言した爆豪の有言実行という形で幕を閉じ、手抜きが過ぎると後に相澤からお叱りを受けた彼女は二種目目の騎馬戦で敗退し、決勝戦には出場していなかった。
当然、彼女の実力を一端でも知るクラスメート達もその結果を不思議に思っていたが、爆豪を中心に学生ライフを送る彼女が「爆豪君の応援に集中したくて」と言い出した為、呆れ半分に納得せざるを得無かったという。
現在、体育祭を経て二連休の振替休日を与えられた生徒達は各々自由に過ごしている中、昼を少し回った頃に起床した爆豪は洗面台と向かい合い、これでもかと言う程、全力で歯を磨いていたのである。
「勝己ー！ちょっと、アンタ暇でしょ？時枝さん家に行ってくれない？ゴミ出しの仕方変わったのよ」
「はあ？知るかっ！自分で行けや！」
「此処に持ってく紙置いとくからねー？」
「勝手に決めてんじゃねぇ！！ババァ！！」
リビングのテーブルにゴミ出しの仕方が載ってある紙を置き、出掛ける準備をする母親に「何で俺が……」と文句を垂れながらも、母親の言う通り予定も無かった爆豪は仕方無く使いを頼まれる事に。
時枝さんって誰だ？と一瞬考えた爆豪だったが、直ぐに彼女の家だと思い出した様で「寄りによって彼奴ん家かよ！」と心底面倒くさそうに舌打ちをする。
「勝己」
「あ？」
「アンタ、Aちゃんとはどうなのよ？」
「どうもこうもねぇわ！キメェ事言ってんなよ、クソババァ！！」
「親に向かってクソババァだって！？」
ｺﾞﾝｯと容赦無く母親の鉄拳制裁が爆豪の頭に振り下ろされ、悶絶する爆豪は懲りずに「この、怪力ババァが！」と毒づくが、再び襲い掛かる拳に苛立ちを感じながらも今度はそれを口に出す事は無かった。
「毎日一緒に学校行ってるんでしょ？」
「あの金髪女が付き纏ってくんだよ！！」
「へぇ、意外ね。昔は引っ込み思案な子だと思ってたのに」
「何処がだよ。毎朝タックルかましてくるわ、追い払っても付き纏ってくるわ、挙句、殴られてもヘラヘラしてやがるわ」
「アンタ、Aちゃんに手ぇ上げたの！？人様の大事な娘さんに何してくれちゃってんのよ！！」
結局三発目を貰う事になってしまった爆豪はｷﾞﾘｷﾞﾘと歯軋りをしながら目を吊り上げ、紙を手に取る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パル(プロフ) - 一寸先はダークさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!凄いだなんてとんでもないです (汗)はい！頑張ります！今後ともよろしくお願い致します！！有難う御座いました！ (2020年3月24日 13時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
一寸先はダーク - 何か、凄いですね！個性が何か分からんなぁ、何となく推測はして多分こうじゃないかな？みたいな所まではいったんですけど、まだまだ分かりませんね！これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2020年3月24日 11時) (レス) id: 94fd455da1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パル | 作成日時：2020年3月17日 8時
