【３５】緑谷side ページ36
峰田君に一瞥寄越す時枝さんは柔く微笑むと「頑張ろう？峰田君。私はまだ……此処に残らないといけないから」とその場で立ち止まり、オールマイトの戦いへと視線を戻す。
「へ……？何でだよ！？」
「爆豪君が来てくれるまで、此処で待つ。先に行ってて良いよ。危なくなっても直ぐに飛んで行けるから」
「Aちゃん、爆豪ちゃんが心配なのは分かるわ。でも、此処に私達が居ると返ってオールマイトの足を引っ張るんじゃないかしら……？」
蛙吹さんの言う通りだ。確かに時枝さんの個性は強力で、それ自体にパワーは無くても彼女一人ならこの場から一瞬で離れる事が出来るだろうけど、オールマイトが僕達を気にして戦いに集中出来無くなってしまう。
「それもそっか……うん、分かった。私も行く事にするよ。あそこからの方が、爆豪君の事もよく見えると思うから」
「結局爆豪ちゃんなのね、Aちゃんは」
「うん。一番大切な人だから」
緊張感無いなぁ……と思いつつも、先程の冷たい眼差しを除けば、時枝さんはそういう人だったと何だか気が抜けてしまう。だが、それでもオールマイトの事が気になり、入口へと向かいながらも様子を窺う。
オールマイトは既に活動限界を超えている。それは、13号先生がひっそりと立てた三本指がオールマイトの活動時間を表していた事を知っているからだ。
オールマイトは限界に近い。多少、時間を置いて回復したと言っても、一人であんな敵(ヴィラン)達を相手にするのは無茶だ。
今、この場にそれを知っているのは相澤先生を除けば、僕しか居ないっ！！
「蛙ス…っ……ユちゃん!!」
「頑張ってくれているのね。なあに、緑谷ちゃん」
「相澤先生、担ぐの代わって……!!」
「良いけど、何で……？」
何か言いだけに僕を見る時枝さんは「緑谷君、人はやっぱり本能で動く生き物だよね」と微笑むと一瞬で目の前から姿を消し、彼女を追う様にオールマイトへと
駆け付ける。
視線の先にはオールマイトが霧の敵(ヴィラン)の個性と脳ミソ敵(ヴィラン)にバックドロップをした体勢のまま拘束されていて、地面から飛び出た脳ミソ敵(ヴィラン)の頭をかち割る様に既に時枝さんが大鎌を振り上げていた。
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パル(プロフ) - kryscさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!二週目を読んで下さって、こうしてｺﾒﾝﾄも添えて頂けて本当に物凄く励みになりますので是非是非何度でもｺﾒﾝﾄして下さい！私もとても気に入っているシーンでもあるのでそう言って頂けて本当に嬉しく思います！それでは良いお年を！ (2020年12月31日 6時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
krysc(プロフ) - 何度もコメント失礼します、、今二週目読んでいるのですが、一緒に帰るって言ってみんなに見守れながら爆豪に追いかけられるシーンが好きでたまに思い出してにやにやしてしまいます、、 (2020年12月31日 3時) (レス) id: e2aa7d2302 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2020年2月2日 19時
