【ヒロアカ】Continue to love 3 (ページ6)

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ギュッと力強く抱き締め、頭から頬、鼻先から唇へとキスを落として行く彼は「A…」と私の名を呼ぶと存在を確かめる様に頭に頬を擦り寄せて来る。

そんな彼の背中にゆっくりと腕を回して、更に隙間を埋める様に密着すれば、彼は「ごめんね…怖い思いさせて…」と何故か謝り出すので首を横に振って否定した。

「君は何一つ悪くない。私が山田君やあの子を巻き込んだ。…ねぇ、あの男は死んだの…？」
「…生きてるよ。隣のビルの屋上から君達の事を見てたんだ。捕らえて、今は拘置所で過ごしてる」
「…そう」

取り調べを行う中であの男は私に対しての憎しみを微塵も隠さずに「あの出来損無いが…俺の人生を狂わせやがったんだ」と叫び散らしていたそうだ。

全てを語ろうとしなかった彼に悪いと思いつつ、記憶を覗かせてもらうとその時の光景がありのまま私の中に流れ込んで来て、憎しみで染まる瞳があの人を彷彿させる。

『アンタさえ…居なければ…死ね!!死んでよ…!!』
『お前さえ居なきゃ俺達は普通に暮らせたんだ！！』

あの人と昨日の敵(ヴィラン)が言っていた言葉が自然と頭に過ぎり、それ等から目を逸らす様に彼にしがみ付く。

「…A、僕には君が必要だよ。今もこの先もずっと。君は僕が生きる事を許してくれるって言ってたけど、そんな僕を支えてくれるのは君なんだよ…？」

Aが居なきゃ僕はきっと、駄目な人間になってたと思う。と言う彼から離れて「…嘘つき」と呟き、ベッドに腰を下ろす。

「君は昔から前だけを向いていて、とてもひたむきで眩しくて……きっと、私が居なくてもその輝きは曇る事は無いよ。君はそんな弱い人間とは違う…」

私と違ってね。と自嘲気味に言うと彼は「A…」と悲しそうに表情に影を落とす。

「だけど、そんな君だから私は求めてしまう。その輝きに魅せられて、それしか目に映らなくて…ただ、必死に近付きたいと、傍に居る事を望んでしまう」
「…それはいけない事なの？君の言い方はまるで、それが駄目な事みたいに聞こえる」
「…どうかな。きっと、駄目な事なんだよ」

好きだから、愛しているから彼の傍に居たい。彼と永遠を望んでいたいと思う事は至極当たり前な事なのかも知れない。だけど、私の場合は…それ以上に彼に私という一人の人間の人生を背負わせている。

きっとそれは、重荷以外の何物でも無い。