【ヒロアカ】Continue to love 3 (ページ46)

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彼は箸を置き、考える様に暫く黙り込むと「僕からもAに話そうと思ってた事があるんだ」と告げる。

「ヒーローとして後数ヶ月で僕も五年目になるだろ？だから、自分で事務所を立ち上げようと思うんだ」
「…初耳……」
「うん。いつかはそうしたいなって思ってたんだけど、中々覚悟が決まらなくて……でも、君が情報特務課を設立した時に強く思ったんだ。僕も…独立したいって」

確かに彼の実力や知名度、そして経験年数はまだ一人前とは言えないのかも知れないが、渡米していた事で日本よりも過激な敵(ヴィラン)との経験を積んでいる。加えて、彼の言う通り後数ヶ月もすればデビューしてから五年目になる。時期としては申し分は無いのかも知れない。

「僕は…君の夢を心から応援したい。勿論、離れ離れになるのは寂しいけど、ずっとって訳じゃない。Aが戻って来た時、惚れ直して貰える様に、今よりもずっと…君に負けないくらい立派な人間になる」

強く優しい眼差しを向ける彼に心の底から有難うと伝えたいのに、言葉が出て来なかった。もう何度、彼に惚れ直したか知れないくらい私は彼に夢中で……

だからこそ、離れたくないと思う反面、私も彼に負けないくらい立派な人間になろうと頑張れる。

「毎日、連絡する」
「うん」
「休みの日が合う日は意地でも帰るから」
「無理しちゃ駄目だからね…？」
「出久君には言われたくないかな」

話し合った数日後、メンバーが揃った日のミーティングで要請を受ける事を伝えたのだ。

反応は様々だったが反対する人は居なくて、山田君は「昇進じゃね？？俺、課長！？マジか！！」と喜んでいたのか、単に驚いているだけなのか…取り敢えず、妙に安心してしまい、皆の反応に肩の力が抜けてしまったのだった。