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彼のごつごつとした大きな手が太腿を撫で、もう片方の手を服の中へと滑り込ませて来る彼に「ま、待って…」と制止の声を掛けるが、尚も耳を甘噛みしている彼は止める素振りなど全然無くて…
「疲れが一気に吹き飛んじゃったよ…」
そう色を含ませた声色で軽く下着越しに膨らみを撫でた彼に「ご、ご飯…！ご飯が…先…！」と彼の腕から必死に逃れ出る。
「えー…」
「もう…お風呂もまだだし…」
「じゃあ……夜は覚悟しててね…？」
「っ……」
鼻唄を口遊ながらリビングへと行く彼の後ろ姿を恨めしく思いながらも、何とか思い止まってくれて良かったと溜め息を零す。
「あ、A」
「ん？」
「ただいま」
上着を脱いでソファーに掛けた彼は振り返り、そう笑顔で両腕を広げていて、何だか肩から力が抜けてしまい、応える様に彼に抱き着き「お帰りなさい、出久君」と唇を重ね合わせる。
「えと…因みにその服、どうしたの…？」
「…山田君が、君が喜ぶからって…」
「なるほど……そういう事だったんだ」
「……？」
彼の言葉がイマイチよく分からず首を傾げると、彼は「さっき山田君からメッセージが来てて」と話しながら性懲りも無く私の首筋に顔を埋め、軽くキスを降らせていく。
「“俺からのクリスマスプレゼントは帰ってからのお楽しみだぜ？”って」
「………」
「ねぇ、写真撮って良い？」
「……だめ」
するりと彼の腕から抜け出して用意した夕食をテーブルに並べ、最後に彼のプレゼントを部屋から持ってくると、彼は「え？？用意してくれたの！？」と驚いている。
「勿論。その…メリークリスマス、出久君」
彼にプレゼントを渡し、その後…プレゼントの中身に彼が荒ぶった事は言うまでも無いだろう。そして、彼から貰ったプレゼントには前々から気になっていた腕時計が入っていて……
「えと…これからも、同じ時を歩んでいこう…？」
予め用意していたのか、恥ずかしそうに言う彼に「もう…ずっとそのつもりだよ」と笑ったのだった。
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作者名：パル | 作成日時：2019年9月7日 15時
